朔と日 第八幕―番外― 【鬼滅の刃】【竈門炭治郎】

走れ寧塑寺 ページ16

本編とはまったく関係ないです。
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寧塑寺は激怒した。


必ず、かの邪知暴虐の自称神を除かなければならぬと決意した。



「宇髄貴様ァァァッ！！！」



柱稽古の華々しい初日。


倒れるまで山を上り下りしろと言われて蒼白になりながら隊士達が山に向かってから程なくして。


文字通り激怒した様子のAが宇髄の元へ飛んできた。



「A？」


「アンタだろ！！なぁアンタだろあれは！」


「はぁ？」



宇髄の胸倉を引っ掴まんとする勢いで彼女は怒る。



「何言ってんだよお前」


「おっ、俺の性別だよ馬鹿！！」



周りに人が居ない事を確認し、Aは声を荒げる。



「何で皆知ってんだよふざっけんなよ！！」



お館様の頼みで渋々参加した柱合会議。


しかし柱達(主に伊黒と不死川)の視線が鋭かった。嫌われてるんだなと思ってたけど違った。



なぁんという事でしょう。柱全員に女だってバレてるではありませんか。



そして冒頭に戻る。Aは激怒した。



「どうせアンタの事だから面白がって言いふらしたんでしょうよ！！最ッ低だなこの野郎！！」


「だから何言ってんだお前。俺じゃねぇよ」


「んな事誰が信じるか！！もう俺はアンタを信じない！！さぁてアンタの死体はどこに埋めましょうかねぇ！？」



宇髄は直感する。とにもかくにも、今は彼女の怒りを鎮めなければ。


下手したら稽古中の隊士達にも被害が及びかねない。



「…じゃあ探してこいや」


「…は？」


「今善逸が温泉掘り返しに行ってんだよ。それ手伝いながら死体遺棄場所探せや」


「は？」



Aとしては、まさか宇髄が本気で埋められようとしているとは思ってもみない訳で。


それに何故稽古が温泉に行き着くのか理解不能だった。


しばらく唖然としていたが、やがて何か裏があるのではと警戒しだす。



そんな彼女の気付いた宇髄は、ニッと笑ってこう言った。



「今アイツがいる山、熊出るんだよ」



猛烈に嫌な予感がしてきた。



「そこらじゅうに蜂の巣があるんだよ。知ってんだろお前も」


「…」


「あぁあと、お前の稽古のために作った罠がまだ」


「分かりましたよ行きますよ行きゃあいいんでしょ！！」



宇髄の継子時代に稽古として使われた罠の恐ろしさを思い出したAは、半ギレで宇髄を睨みつけ、善逸を探しに駆け出した。




参照:太宰治『走れメロス』

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