四十三話 ページ3
任務当日。
A達は蝶屋敷の少女達に別れを告げ、無限列車の発着する駅に来ていた。
「A！早く行こう！」
「いやちょっと待てよ」
あの時に彼が感じた暗い匂いはもうしなかったが、今度はちょっと違う感じの暗い匂いが感じられた。
Aはただ人混みに酔っているだけだが、堅物真面目はそれに気付かない。
彼女を元気づけようと彼女の手を引いた。
「今回は煉獄さんとの任務なんだよな。ヒノカミ神楽の事を何か聞ければいいんだが…」
「おい、おい炭治郎」
炭治郎はAが人との接触に慣れていないから拒むのだとし、そのまま駅内を突き進む。
「煉獄さん、もう列車に乗っているのかな」
「おーい炭治郎さーん」
善逸と伊之助もその後を付いてくる。
善逸は何故だかとても不思議そうな顔をしていた。
「善逸と伊之助はあの人に会うのは初めてだからな。でもいい人みたいだったからきっと仲良くなれるよ」
「お前その乗降場の反対方向に歩いてるの気付いてるのか」
「………あれ？」
これだから田舎者は。
「タンポポ君もわかってたんなら何か言えよ」
「いやぁ…もしかしてそっちが正解なのかもしれないと思って。それに炭治郎から嬉しそうな音が――」
「はぁ？」
目を向ける。
奴は明後日の方を向いていた。
気のせいだろうか、耳が赤い。
「――俺を弟みたいに扱うんじゃない」
当然、Aはそれに気付けない。
世界が驚愕する鈍感の極みである。
「えっ」
「ほら行くぞ」
先程とは立場が逆転し、A手を引かれる炭治郎を善逸は何とも言えぬ表情で眺めた。
炭治郎よ、先は長そうだ。
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つまらないし意味わからんですね。すみません…。
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作者名：名梨 | 作成日時：2020年1月12日 18時
