守りたいもの

第40話 ページ42

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発射されたモリを、詩が銃で軌道を変えた


モリは天童の顔の横に突き刺さった



警察本部にいる全員がホッと安堵の息を漏らす




「連れてけ」



詩と奏は涙を流していてなかなか動けないでいた




狼が詩に近づき、肩に手を置いて抱きしめるように体を近づけた



『よく、頑張りましたね


奏も立派でしたよ』



その言葉に詩と奏はくしゃりと顔を歪めた


狼は天童の拘束を解くと、詩と奏に天童を渡した


詩と奏が天童を連れていく







「これでお前たちの恨みもはらせたはずだ


こんなこともう辞めるんだ」



「武蔵三郎、お前は何もわかっていないな


天童美香の裏には黒幕がいる






その名も山猫」




武蔵はその名に聞き覚えがあった




「3時までに山猫の正体を明らかにしろ



さもないと…」



画面には、人質たちの姿が映し出され何かピッピッと嫌な音がしている


人質たちが音の在処を探すと、ソファの下に爆弾が隠されてあった



「人質全員が爆死する


もちろん、お前の姉もだ」



「嘘だろ…」




武蔵はその言葉に呆然としてしまう



「また会おう、武蔵三郎」


「待て！」



立ち去ろうとした龍と狼を武蔵が引き止めた

龍と狼の足が止まる



「狼…いや、藍鬼


お前の目的はなんだ？どうしてこんなことを続ける？」



狼は武蔵の言葉にふっと笑った



『武蔵刑事、私の名前は呼んでくれないんですか？』



狼は配信に映っている武蔵の目を面越しにしっかりと見た



『私の正体、まだ突き止めてないんですよね


楽しみです、いつ私の名前を呼んでくれるのか』



狼はそう楽しそうに言う



『ではまた


猫探し、頑張ってくださいね』



そう言って今度こそ画面外へと消えた







画面は、爆弾に怯える人質たちに切り替わった









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