守りたいもの

第39話 ページ41

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天童射殺まで残り1分半




配信には龍と狼、兎と羊、そして憔悴しきった天童が映し出された



「Attention please，Attention please


天童美香の嘘は突き止めたのか」


「あぁ」


「聞かせろ」



武蔵は大きく息を吸い込み、話しはじめる



「5年前空港建設反対派のリーダーだった浜松功は、松長仁、掛川瑠美、堀江海斗の3人に殺された


通称百首事件だ


でもそれは嘘だった

浜松功は別の人間に殺されたんだ」



志摩がパソコンを操作し、その真犯人の写真、経歴を映し出す



「川越署長だ」


真犯人は、丹羽愛を殺害した川越署長だった



「川越は浜松功を捕まえるとモリで殺害し、百首神社に放置した



だが、その現場を花房達也という男に見られた

川越は天童にこのことを報告し、天童は花房を金で買収して嘘の証言をするように言った






これが天童がついた嘘だ」



そうだろ、と武蔵は兎と羊に問いかける



「お前たちは浜松功の娘、詩と奏だ」



名前を呼ばれた兎と羊は面を取った



2人は天童の方を向き、天童に心の内を訴える




「父さんは立派な漁師だった」


空港を建設することを真っ先に反対したのは父だと、大事な海が汚されるのは許せないと



「これは父さんのだ」


羊の腕には時計がついていた

しかし、割れていたりしてボロボロだった



「どんなに遠くの漁に出ても、時間通りに帰ってきてくれた



…でもあの時だけは帰ってこなかった！」


詩が涙を流しながら声を上げる


「お前が父さんを奪ったんだ！この空港を守るために！」



2人は天童に銃を向ける


残り時間はもうない





「認めろ、天童」















「わかった…全部認める



私が川越に指示したぁ！！」










モリが発射された











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