守りたいもの

第38話 ページ40

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Aside



「そろそろじゃない」


紗季さんの言葉に悠月さんは頷くと私に目配せをした


悠月さんの意図をくみ取り、私はカメラなどをバックから取り出す


「準備をしろ」





『準備が完了です』


カメラなどをセッティングし終え、悠月さんに声をかける


「始めるぞ」


その言葉で私はスタートボタンを押した



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ＮＯside



武蔵たちは花房の自宅に行き、花房から証言が嘘だったことと松長たちがここに来たことを聞きだした



だが、花房が嘘の証言をしたのは心筋梗塞になった母の治療費を払うために行ったことだった




証言が嘘だということは、犯人は別にいるということだ





「浜松功を殺したのは誰だ？」


浜松の口から出た名前は、武蔵たちにとって信じがたい事実だった





「和泉、百首事件の真相がわかった」


「管理官、あと15分です」


「武蔵、直ぐに戻って」


「了解」




武蔵は無線を切った


そして、壁に手を付いて俯いている本庄の背中を叩く


本庄はハッと顔を上げ、武蔵の背中に着いていく



玄関を出たところで本庄は武蔵に声をかけた


「主任、すみません


先に車に戻っていてください」


「……あぁわかった、直ぐに戻ってこいよ」



そう言って武蔵は1人で車に戻った













本庄は武蔵の姿が見えなくなるとズルズルとドアに背中をつけて座り込んだ




本庄の心はもう限界に近かった


信頼していた上司は人を殺し裏切られ、自分の誇りであるこの町は汚れていた



本庄は顔を手で覆い、目をつぶった

瞼の裏に浮かぶのはあの子の笑顔


"杏、大好き！"

"杏は特別だよ"



この言葉が今の本庄の唯一の心の支えだった

自分はあの子の特別、という思うことでここまで頑張ってこれた

それほどに本庄にとって大切な人だった






本庄は大きく息を吸うと立ち上がり、武蔵が待つ車へと戻った









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