守りたいもの

第17話 ページ19

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｢武蔵三郎、逃亡犯は突き止めたか？｣




｢あぁ



壬生トラベル社長、壬生正雄だ｣







ようやくだ…







｢その通りだ、武蔵三郎｣







龍が手を挙げ合図をし、瀬奈さんが機械を止めた




走っていた男が疲労困憊といった様子で出てくる



背中には数本の酷い傷があった







瀬奈さんが男を画面外に連れて行く



入れ違いに虎と猿が壬生を連れてきた








｢続けろ｣





｢そもそも壬生なんて男は存在しなかった



壬生の正体は逃亡中の議員、北見茂だ｣





｢北見茂はP2計画を主張していました｣








北見茂、P2計画






その名前を聞いて、思わず手に力が入ってしまう











ずっと黙っていた虎が口を開いた




｢武蔵、やはりお前を選んで正解だった｣





虎と猿が顔を見合わせて頷き合い、猿が面を取った






｢北見、俺のこと覚えているか｣






北見は猿の顔を見ても何も思い出さないようだった







｢なら、思い出させてやるよ




なぁ……親父｣







その言葉で虎が面を取る








虎の正体は、丹波一樹

元警察官で、1年前の病院占拠ではSATを率いていた





猿はその息子、丹波直樹

父親と同じく元警察官で巡査だった










｢嘘だろ……丹波さん、どうして……｣






武蔵刑事は驚きを隠せないようだ






｢武蔵、驚いてる時間は無い


お前に新たな指令を与える｣







北見が暴れないように銃を向けているが、腹の底から黒い感情が湧き出てくる





どうしてこいつがのうのうと生きている？

こいつのせいで、琴音ちゃんは…お兄ちゃんは…




銃を持つ手が震える






｢俺たちはこの男の嘘のせいで獣になった


その嘘をお前が突き止めろ｣








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