家出少女５ (ページ10)

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3日後、あたしは朝からどこかのスタジオのメイク室にいた。

学校は女の子の必殺技を使って休んだ。一瞬サボりかとか言われたけど必死にお腹痛いアピールをしたら信じてくれた。

撮影は午後からで広臣は午前中リハがあったので別々に家を出てきた。

高野が迎えにきてくれてここまで来たんだけど、着いた途端に衣装さん？にあれやこれやの服を取っ替え引っ換え着せられたり、当てられたりして、正直もう疲れた…。

あたし服とか試着しない派なんだよね。

そういえば最近はみんなから服のお下がりをもらうからそれ着たり、千絵とか(たまに敬浩さんも)服をプレゼントしてくれるから全然買ってないわ…ってあんまり関係ないわ。

と、ともかくされるがままに耐えてたら衣装が決まったようで、白のワンピースに落ち着いた。

そしてそのあとはアクセサリーやら髪の毛を巻かれて…最後は、

「アコちょっと目閉じて」

『はい』

目の前では千絵があたしのメイクをしてくれてる。

多分あたしが緊張しないようにわざわざHIROさんが呼んでくれて、千絵も来てくれたんだと思う。

ちなみに今日久々の再会だったんだけど、会ったとたんすごい勢いでハグされた。死ぬかと思った。

『ていうかさぁ、千絵とか高野とかでよかったじゃん。千絵メイクすれば別人になるし美人だし』

「いや、あたしそういうのNGだから」

『は？』

NGって、いやいや何芸能人みたいなこと言ってんの？お前モデルさんやないだろ、メイクさんやろ。

「そもそもあたしじゃ駄目でしょ。今市くんと話したことそんなにないし」

『あーーー』

そうだ、なんでそもそもあたしの名前が挙がったのか理由を思い出した。

まあ顔映らないしね。演技とかもしないで立ってるだけでいいっぽいから、そう、人形になったみたいな？そういう感じで乗り切る。いやどういう感じだ？やべえ、がちでお腹痛くなってきた…。

目をつぶってるからよくわからないんだけど、なんかまつ毛が重くなった。つけまかな？ん？つけま？待って、

『…………あのさ、顔って映らないんだよね？何でさっきから顔のメイクしてるの？』

「え？メイクしろって言われてるよ？目元は結構濃いめって」

オイオイおおおおいおい。
ぜんっぜん、話と違うじゃねーか。

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