241 岩田剛典side ページ41
.
『いわっ剛典さん、本日は貴重なオフにありがとうございます』
「はいはい」
今思いっきり岩って言ったよね。しかもさん付けだし。
「何それ、弁当作ったの?」
アコが持ってる小さいバックを見る。
『作るって約束したから。レモンのはちみつ漬けの代わりに…あ!もう人集まってる!始まってる?』
「多分試合前のトレーニングとかだと思うよ」
『なるほど。あたし吉野にお弁当渡してくるけど、たっ剛典はどうする?』
「ついてく」
こんな学生とかお母さんとかばかりの所で、俺みたいなやつが1人でいたら完全に浮きそうだな。大丈夫かこれ。
一応バレないようにキャップとマスクしてるけど。
前を歩くアコについていく。
どの辺までついてけばいいかな?
吉野ってやつの顔が見えるくらいのとこで止めといてやろう。
『あ、いた。ここで待ってて』
「わかった」
アコが走って行った先には、若い男。
同級生なんだから若いのは当たり前か。
もっとチャラいやつかと思ってたけど、意外と普通っぽい。
2人の姿を壁に寄りかかって見ていると、話していたアコが、突然こっちを振り返った。
そして手招きされたのでとりあえず向かう。
『ね、ぼっちじゃないでしょ?』
「絶対1人だから行かないって言われると思った」
『言わないわ!たた剛典、こいつが友達の吉野。吉野こっちはえーと…兄の友達で今日無理言ってついてきてもらった』
もうたたたかのりって何。
「わざわざありがとうございます」
予想外に、吉野は俺に頭を下げた。
意外と常識あるやつじゃん。
「今日の試合、頑張ってね。応援してます」
キャップを取って俺も頭を下げた。
.
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コウ | 作成日時:2018年10月2日 22時