家出少女５ (ページ5)

今日:9 hit、昨日:8 hit、合計:104,134 hit

204 ページ5

.

なんか、最近、広臣がおかしい。

理由①

「お前さ、彼氏とかいないの？」

『いない』

あたしがお味噌汁をすすってるのを広臣が隣で頬杖をつきながらガン見し始めて10分経過。

ようやく口を開いたかと思えばそんなことか。

「気になる奴とかは？」

『啓司さ…』

「啓司さん以外で」

『はぁ？』

お味噌汁を置いて眉をひそめて広臣を睨む。

理由②

なんと、今いるのはお寿司屋さん。

学校から帰ってきて家にいたら突然駅に10分後にきてってメールがきた。

それで連れてかれたのがここなんだけど、いつも来ない感じのところ。

いや何度かお寿司屋さんには連れてってもらってるけど、ここまで豪華なところは初めて。
それで緊張しすぎて庶民的なお味噌汁を頼んじゃったんです。

『てか岩田といいお前ら何なの最近。思春期なの？』

「……うわーがんちゃんも同じこと聞いたんだ」

『何？』

「いや、ほら、好きなタイプとかは？」

『愛と勇気だけが友だ…』

「ア○パンマン以外で」

『何故わかった』

岩田はこれ言ったら黙って何か考え始めたのに。

「絶対そうくると思った。臣ちゃん舐めんな」

まじでか。予想してたとか臣ちゃんレベル高いな。
でもそっかあたしの小さい頃の初恋の相手はアン○ンマンって話、広臣にはしてたか。

『わかんないよー好きになった人がタイプ。イコール啓司さん』

「お前今まで恋愛したことないの？」

『前にないって言わなかった？彼氏より金が欲しい。広臣は？』

「俺？俺はーーまず中学の時にー…」

『あ、やっぱいいっす』

敬浩さんもだけど、何でこいつら別れた女のことをこうペラペラ自慢みたいに…………待って、前の彼女？

『あああっ！！！』

「どした？てかその味噌汁うまそーだからちょっとちょうだい。なにこれ赤味噌？」

広臣が横から味噌汁を取ったので目の前の味噌汁がなくなった。お前寿司食ってんじゃねーか。

けど頭の中はそれどころじゃない。

『わたしったら、重大なことを忘れていた』

おっとパニクりすぎて心の中の言葉を話してしまった。

高野と、広臣を、くっつける作戦。

それをあたしは、すっかり忘れてた…

.