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236 岩田剛典side ページ36

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アコと時間を潰し始めて数時間。


いつもはほとんど俺の愚痴をアコに聞いてもらっているのだけど、今日は逆だった。

ずっと溜めてたみたいでずっと喋ってる。かわいいな。




『だってさ、あたしが吉野と…あ、吉野って友達なんだけど、2人で話してんのに会話に割り込んでくるとか意味わかんなくない?!』


「で、メアド聞かれたの?そいつに」


『初対面だよ?名前知らないよ?あり得なくない?』


「それ絶対さあ……」





ナンパ的な?やっぱ学校でも狙われるよなあ。

この間楽屋でエリーと話してたんだけど、アコは多分モテる。本人が気付いてないだけで多分ふつーにモテてる。



俺は最初の出会いが最悪だったから、初めは何だこのガキとしか思ってなかったけど喋らなければ可愛いし。「いわゆる残念系」というのが俺らのアコの最終評価となった。なんて言ったら怒られそうだけど。




吉野って奴も絶対アコのこと好きだし。
これは俺の予想だけど今度の試合後とかに呼び出して告るつもりなんだろ。ああ高校生青いわーーーー





『本当そういう高校生のノリがよくわかんないしついていけない』


そう言ってウーロン茶を一気飲みするこいつは青くなさ過ぎる気もするけど。




「結局教えたの?メアド」

『はあ?!教えるわけないじゃん!あんなガキみたいなやつこっちが拒否だわ」

「吉野ってやつはアコのメアド知ってるんでしょ?」

『だって吉野は歴が長いから。あたし好きだし』




思わず取ろうとしてたポテトフライを落とした。





「好きなの?そいつのこと」


『うん。普通に友達としてね。すごい良いやつだもん』


「俺のことは?」


『は?岩田?』


「たかのり」


『あったたたたた剛典も……好きだよ。普通に』





たが多い気がしたけど、普通に好きかあ。

今のところ俺と吉野ってやつは同率だな。

って顔も知らない高校生と何を張り合ってるんだ俺は。






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作者名:コウ | 作成日時:2018年10月2日 22時

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