家出少女５ (ページ33)

今日:29 hit、昨日:8 hit、合計:104,154 hit

232 ページ33

.

「弁解するけど私達、一線は越えてないから」

高野の話はかなり衝撃的だった。
敬浩さんって本当はそういう人だったんだ。

「私達は付き合ってる訳ではない。でも、どうにか敬浩を守ってあげたいの」

『2人の関係については、あたしは何も言えない。敬浩さんのそういうところ…知らなかったし』

そうよね…と高野が呟いた。

『でもさ、もし広臣が2人を見たらどう思う？広臣は高野が他に好きな人が出来たから振られたと思ってるんでしょ？もしそれが敬浩さんだって勘違いしたら…』

敬浩さんと広臣の関係が悪くなるかもしれない。

そんなの、広臣が可哀想じゃないか。

「昨日アコに見られて…広臣のことも考えた。やっぱりこのままじゃダメだと思って。だから今日広臣と話す為にここに来たの」

『うん。あたしもそう思っ』

その途端、玄関から音がした。

「頭がおかしくなったアコちゃんただいまーーーがんちゃん連れてきた…あれ？客？」

ちょうどいいタイミングで帰ってきた奴と、思わぬ奴の登場に、あたしと高野はびっくりして1センチくらい浮いた。

ちょっとビクッとした高野の反応が新鮮で面白いとか思っちゃったけど、それよりあたしの敵は、

「まだ寝てんの……何でお前…」

「お邪魔してます」

ここ数日のあたしの悩みというか、なんというか。

広臣に頭壊れた？と本気で心配されるほど頭の中を駆け巡ってた出来事をまたここで説明させてもらおう。

①高野と敬浩さんのキス場を見てしまったこと。

広臣の後ろから久々の顔が見える。

「アコ久しぶり。熱大丈夫？」

②岩田剛典に、おかしなことを言われたこと。

「岩田くん、申し訳ないんだけどちょっとアコと外に出てもらえる？2人で話がしたいの」

「は、はい。わかりました」

とりあえず高野がそう言って進めてくれたので、黙る広臣を置いて、あたしは岩田とマンションから出た。

広臣と高野、ちゃんと話せればいいんだけど…いやーそれより、隣の男を意識してしまう。

.