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229 高野弥生side ページ30

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話し終わる頃には私は柄にもなく泣いていた。
そして、敬浩の腕の中にいた。





「そんなことだと思ったわ〜弥生ちゃんって超不器用さんですね〜」

「やめてください」



背中を優しくさすってくれるのが逆に涙を止まらなくさせた。





「その涙は未練なの?」

「未練とか…私が言う権利ない。振ったのに」

「まあね〜でも理由は全部嘘だけどね」





その後しばらく敬浩の胸で子供みたいに泣いた。
こんなに泣いたのは初めてってくらい。



店から出て、泣き疲れと酔いでフラフラなあたしを敬浩はもう一度抱きしめた。






「は、ちょっ」



「俺も高野さんみたいな人に出会えたらいいんだけどな」



「え?」


「なんでもない。また飯いこーね」








それから月に2、3回会うようになった。
場所は必ず涼介の店で、そのうちお兄さんと入れ替わりで店長になった涼介と知り合って、千絵とも知り合った。

そして3人に半ば強引に敬浩の家のルームシェアに入れられて、敬浩の家で生活するようになった。






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作者名:コウ | 作成日時:2018年10月2日 22時

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