227 高野弥生side ページ28
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そして広臣と別れた数ヶ月後に、初めて敬浩に声をかけられた。
敬浩の女遊びの激しさは社内でも有名な話で、私も知っていたから話しかけられた時は本当に驚いた。
しかも、その第一声が、
「ねえ君、高野弥生さんだよね?登坂と別れたってほんと?」
初対面の人に対して開口一番これだ。
何とも馴れ馴れしい私が1番嫌いなタイプだった。
その時は完全無視をして逃げた。
けれどその後、私は突然HIROさんに呼ばれた。
HIROさんにだけは別れたことと理由を全部話していた。そしてそこにはなぜか敬浩もいた。
「TAKAHIROのマネージャーが1ヶ月入院することなってさ替えが回らなくなっちゃったんだ。それで、高野さんにお願い出来ないかな?」
「俺が指名したの」
HIROさんの後ろでいたずらっ子のように笑った奴の顔を思いっきり睨んだのを覚えてる。
今思うと、普通ならアーティスト本人がマネージャーを選んだりなんかできない。
だからきっとHIROさんにも何か策略があって私をマネージャーにしたんだと思う。
HIROさんの言葉を断れる人間なんて居ない。
そこからの日々は凄まじかった。
「ねえ高野さーーん。高野さんって何カップ?見た感じBよりのC?」
「………」
「高野さんめっちゃ睨んでる(笑)」
「タカヒロのマネに女の子がつくとかもう可哀想でしかないわ」
「マツさんマキさんありがとうございます。でも大丈夫です。 もう慣れました」
1ヶ月とは言えちょうどその頃EXILEの活動も活発になっていて、EXILEの方々やマネージャーの方々、そしてスタッフさん方と沢山知り合うことが出来た。
そして敬浩が1番一緒に仕事をする、篤志さんとも話す機会が増えた。
「タカヒロのマネどんな感じ?」
「もう毎日女の子とか下ネタとかばっかりで勘弁して欲しいです」
「あはは、でもね、俺は曲作る人間は恋愛をした方がいいって思ってるんだよね」
「そうなんですか?」
「うん。だから遊んでないで早く本命を見つけろって言ってんのにね〜」
「へえ。まあ知った事じゃないですけど」
「高野さんクールだなぁ」
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作者名:コウ | 作成日時:2018年10月2日 22時