家出少女５ (ページ12)

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メイク室から出ると通路にスタッフさんが仰山おって。すごいジロジロ見られるから緊張がやばい。

人によっては「よろしくお願いします！」とか言ってくれる人もいたんだけど、緊張しすぎて『へいどうも』て返しちゃったら前を歩いてる高野と千絵が吹き出した。ムカついた。

そして大きな重い扉を開けたら、大きなカメラが沢山あってスタッフさんが沢山いて大きなセットがあって…

『オナカ、オナカガイタイ』

「大丈夫だから。まず監督に挨拶ね」

「ほらアコ、あの人が監督」

しぶしぶ伏せてた顔を上げたら、その先にスタッフさんたちの真ん中で腕を組んで座ってる女の人がいた。

「千絵ちゃん！久しぶりね」

「ご無沙汰してます。実花さん」

「初めまして。本日付き添いで参りましたLDH営業部の高野と申します。今回はよろしくお願い致します。こちらが安藤Aです」

高野に背中を押されて監督さんの前に出る。

『初めま…』

「わーーーー！！！すごくイメージ通り！千絵ちゃん流石ね、わかってる～」

「そう言っていただけると嬉しいです。ありがとうございます」

『あ、ありがとうございます』

まった、今あたしお礼言うところじゃなかったよね！！？しくじった！

「初めまして蜷川です。今日はよろしくね」

『安藤Aです。よろしくお願いします』

「実花さん、アコは私の妹同然なのでよろしくお願いします」

そう言って千絵が肩を組んできた。
緊張ほぐそうとしてくれてるんだな。

少しだけ深呼吸をした。

「もちろんよ。アコちゃんって呼ばれてるのよね？私もそう呼んでいい？」

『あ、はいもちろん』

「今回今市くんのご指名ってことで…撮影とか初めてだろうけど、あんまり気は張らずに私が言ったことをそのままやるって簡単に考えて貰いたいの」

『わかりました』

「もうアコちゃんは立ってるだけでもすごく私のイメージ通りだから自信を持ってね。細かい説明は撮りながらで。じゃあ、始めますか」

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