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『何かご希望の味ありますー?』
「いや、まじごめん」
「何もないっす」
結局エリーも食材などはなにも買ってきてなくって。買ってこいとも言えず、3人で具材買い出しからお鍋プロジェクトをスタートすることになったんだけど。
「鍋って何買ってくればいい?」
「あーーそうだねえ…」
「何味がいいかな?」
「なんでもうまいよね」
「野菜とかって何入ってるっけ?」
「俺ネギあんまり好きじゃないんだよね」
「じゃあもう肉オンリーの鍋にしない?」
買い出し行く前の2人の会話聞いて2人に行かせると謎の鍋になりそうなのはすぐに分かった。
隆二くんなんだかんだ肯定しかしてないし。
忘れてたけど隆二くんって超迷っちゃう人だった。
エリーも、肉オンリーの鍋ってなんだよ栄養バランス最悪だよ。
ということで結局あたしがスーパーに駆け込んできましたよ。やる時はやる女です私。
その代わりあたしの好きな鍋の後にラーメンできるやつにした、へへ。
『お疲れの方々にご飯作らせたりなんて出来ませんよーーーはははははは』
そう笑いながら鍋の様子を見にまた台所へ戻る。
ヒソヒソ声が聞こえてきた。
「アコめっちゃ怒ってるよどうする?」
「やばいね、隆二さんちょっと何かないの?おもちゃとか」
いやいやいやいや何、エリーはあたしの機嫌がおもちゃで直ると思ってんの?あたしそんなに赤ちゃんみたいに見えてるの?
「ソウルのおもちゃならある…確かこの辺…」
おい今市も何言ってんだよ!
ソウルのおもちゃで満足しねーよ!
てかそのおもちゃここにあったのか!
探してたんだよ!
『おもちゃとかいらんから!てかもう怒ってないし!』
そう言うとすぐに2人は顔を明るくして、
「エリー、今日撮った新曲のデモ聴かない?」
「おーー聴く聴く」
「俺も臣も今日調子良くってさ〜」
綺麗さっぱり忘れたようだった。
て、いや待て待て切り替え早いわ。
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作者名:コウ | 作成日時:2018年10月2日 22時