52 ページ3
安藤アコside
「退院おめでとうございます。お大事になさってくださいね」
「お世話になりました」
見送りまで来てくれた看護師さんに頭を下げて、車に乗り込んだ。
なかなか病院食を食べないあたしをネチネチと怒り続けてくれた看護師さん…あなたのネチッこさには感服です。窓越しに見える看護師さんに心の中で拍手を送った。
運転席には仕事を切り上げて来てくれた弥生がいる。
「忘れ物ないわよね?」
「うん、たぶん」
そう答えると車が発車した。
只今の時間午後の5時。手続きとかしてるうちにこんな時間になってしまった。病院ってなんでいつもあんなに混んでるのだろう。
これから涼介さんの店であたしの退院祝いをしてくれるらしい。わざわざそんなのしなくていいって思ったけど、久々に涼介さんの料理が食べれると思い了承した。
涼介さんの店は年々人気が増していて、来年恵比寿に二店舗目を出すらしい。
そんな感じでいつも混んでいるので店に行くたびに手伝わされる。客として行っているのに!
でも今日は定休日に開けてくれるからゆっくりご飯を食べれる!
「今日来るのって誰?」
「敬浩と…あ、千絵とカナタは検診行ってから来るって」
「あ〜〜カナタに会いたい〜〜」
「広臣が三代目誘うって言ってたけど、結局誰が来るか分からないわ」
「ふーん」
今はツアー真っ最中だし、それと並行してシングルの活動もあるだろうし無理はしないでほしい。まあ、みんなには会いたいけど。隆二くんとかあたしスマホ壊れてるから見れないのにずっとライン送ってくれてたらしいし。
「ねえ、もう痛くないの?」
「んー痣はたまに痛いかなー。でも他はほとんどかさぶたとかになってるし大丈夫」
「そう」
入院中ほぼ毎日病院に来てくれた弥生。
多分、広臣が来れないからって代わりに来てくれてたんだろう。
なんか年々優しくなってる気がするこの人。
出会った時は超冷たかった気がする。
いやあんま覚えてないや。
「もう、心配かけさせないで」
「はい。ごめんなさい」
.
152人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Yuki:)(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2019年11月7日 19時) (レス) id: b133488a84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コウ | 作成日時:2019年6月30日 15時