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『いゃーーひとめぼれって本当にあるんだね』
「一目惚れだかなんだか知らないけど、唐突すぎ。常識的にありえない」
あたしは愛の告白を済ませ、車で送ってくれるというので高野の車に乗っていた。
それより、いやあ啓司さんかっこよかった。
お付き合いも連絡先交換も断られたけど、どこにも載せない約束で写真は撮ってくれた。
優しい。この写真は墓まで持って帰ります。
ああ思わず写真撮る時腕組んじゃったけどもうドキドキしたなあ。
ライブ後だから汗かいてた、いい匂いした〜
おいそこのお前、きもいとか言うな。
『好きな人ってこんなドキドキするんだね』
「え、何その初恋発言」
だって、初恋だし、多分。
まあぶっちゃけると小さい頃アンパンマンガチ恋してたけど。
アンパンマンと結婚できると思ってたし。
将来彼の新しい顔を変えるのはバタ子さんじゃなくあたしだと思ってた。
そのためにめっちゃドッチボールとかやってたなぁ…丸いもの投げるの練習しまくってた。懐かしい。
なんて話をしたら高野に「そんな頃からネジ吹っ飛んでたのね」と言われた。
『もういいし。わかってくれないなら』
「わかるわかんないじゃなくて、あんな舞台の裏でスタッフが忙しくしてる中でよくもまあ、あんなこと出来たねってこと」
『それはすいませんでしたー。てかもしかして今マンションに向かってる?』
「それ以外どこがあるの」
『なんか美味しいもの食べ行きたいなあ』
「もう遅いからダメ。コンビニで何か買ってさっさと帰る」
『ちっ』
なんなんこのケチババア!
「ババアじゃない」
心読んでくるし!あれ、てか、
『打ち上げ行けよ』
行くね〜〜〜ふふふ〜〜〜て手振ってたじゃん。
「もう疲れるから嫌なの。お酒苦手だし…話したくない人とも話さないといけなくなるし」
すぐに広臣のことかなと思った。
『高野さ、広臣のこと嫌いなの?好きなの?』
口に出してから、冷静になった。
!!!?!?
やっっっっっってしまった!!!
あたし今なんてことを?!!!!
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作者名:コウ | 作成日時:2018年2月21日 21時