93 登坂広臣side ページ44
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ライブ後の打ち上げで、がんちゃんと隆二と健二郎さんと固まって飲んでいた。
先輩方の中で飲むのはやっぱり飲みづらい。
エリーだけは呼ばれてどっか行った。
そんな中、よぉ〜〜飲んでる?と少し酔った直人さんが俺らのテーブルにきて衝撃の一言を言い放った。
「臣、聞いた?アコちゃんが啓司さんに告白したんだって!」
「は?」
え?何つった?
「え、それマジっすか?」
隣のがんちゃんが身を乗り出す。
「マジマジ。本人いるかな…あ、いた!啓司さーん!こっちこっち!」
少し離れたテーブルにいた啓司さんをおっきな声で呼ぶ直人さん。その声に反応して啓司さんがこちらにくる。
「何よーー直人さぁーん」
「アコちゃんに告白されたんですよね?」
「あーなんか突然告白されちゃったんだよね。結婚してくださいってプロポーズも」
「プロポーズ?!」
思わず叫ぶ。
なんか隣でがんちゃんは吹き出してるけど、全然笑えないから。何考えてるんだあいつ。
「普通に今仕事で手一杯だからってすいませーんって言ったの」
「あはは!めっちゃしっかり答えてる!」
「振られてるし!!」
がんちゃんと一緒に爆笑し始める直人さん。
「そっか…アコは啓司さんのこと…」
待って待って、隆二勝手に変な納得しないで。
いやいやまじで何考えてるのあいつ。
「え?もしかして誰かの知り合いだったの?高野さんの妹だと思ってたんだけど」
と不思議そうな顔の啓司さん。
アコのやつ、まさか名前も言わずに告白したんじゃ…
「啓司さん、その子登坂の妹なんですよ」
直人さん笑いすぎて涙出てるし。
「え!そうなの?登坂の?まじ?」
「はい、まあ…」
「あーーでも確かに似てたかも…ごめんね登坂知らずに振っちゃった」
「いや、ご迷惑おかけしました」
その後ライブの話をしてから、啓司さんは元のテーブルに戻っていった。
「はーーー!啓司さんときたかーーアコちゃんまた面白いとこいったねえ」
と直人さんが笑う。
「アコ、啓司さんのファンだったん?」
と健二郎さんの言葉に思い返してみるけど、
「まじでそんな話1回も…がんちゃん聞いたことある?」
「いや、ガチで聞いたことなかったっすね」
「そっかあアコと啓司さんが…」
「隆二、頼むからそんな言い方すんな」
今日…は帰るの遅くなりそうだから、明日にでも聞いてみるか。緊急取り調べだ。
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作者名:コウ | 作成日時:2018年2月21日 21時