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「もうすぐ着くわよ」
その言葉で外を見ると大きくEXILE TRIBEの文字。お客さんがたくさん列になってるのが見えた。すっご。
「裏は終わってからしか行けないから、もう席に向かって」
『わかった、ありがとう』
車から降りると、お客さんの興奮した声が遠くから聞こえてきた。その声を聞きながら高野についてく。改めて会場の大きさに驚く。
「お疲れ様です」
ドアというか扉の前の警備員に高野はいつものように挨拶をして通っていく。いやいやいやいや。
『高野、警備員顔いかつすぎない?』
「そう?」
いや軽く会釈してくれたけど警備員めっちゃ怖え。
しばらく歩くと、あるドアの前で立ち止まった。
「ここ入ったら関係者席。多分沢山座ってると思うけど、皆さんメンバーの家族とか知り合いだから大丈夫。あとどうせ忘れてるんでしょ、マスク」
『あ、ありがと』
「じゃあ終わったらまた迎えにくる。カードちゃんと首にかけといて」
そう言ってすぐに高野は来た道を戻って行った。
ふう、と胸を落ち着かせてとりあえず、マスクとカードを身につける。
『よし!』
思い切ってドアを開けた。そしたら椅子が並んでいた。座ってた人たちが一斉にこちらを見てくる。なぜ見てくる?!変な汗でてきちゃったよ。
一応、会釈をしつつ席に近づいていく。
前を見ると、映像が流れ始めた。
ライブが始まった。
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作者名:コウ | 作成日時:2018年2月21日 21時