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「正直、俺はあり得ないって思ってたんだけどさ」





マンションから出て7人で歩いてると直人さんが隣にきて言った。





「…はい」




アコのことを勇気を出して言ったものの、賛否両論だとは分かっていた。最初話した時は直人さんと直己さんは特に険しい顔をしてたし。






まあでも、と直人さんが続ける。




「ちょっとイメージ変わったわ。全然思ってたような子じゃなかった」

「…」

「臣のことを、三代目の登坂広臣ていう風に見てるならすぐに止めさせるつもりだったけど、あの子は全く違うね」



ごめん回りくどいね、と笑う直人さん。



「俺も最初はそうかなって思いました。三代目って目で見られてるのかなって。最近近付いてくる奴らみんなそうだから、でも」






アコは、







「あいつは、俺を拾ってくれた人としか見てないんです。それが楽なんですよね」




酒のせいで思ってることを全て言ってしまう。あとから思い出したら恥ずかしくなるなーーなんて思いながらも口が止まらない。





「そりゃあ臣も拾っちゃうわ。めちゃくちゃ可愛いし。将来有望だねえ」


「いやいや。俺そんな目で見てないですから」



健二郎さんが振り返ってきて叫んだ。




「ああ〜アコの連絡先聞くの忘れてたあ〜臣ちゃん教えて?」

「個人情報だから無理」

「臣ちゃんのケチ〜〜」

そう言って腕を肩に回してくる。





「あはは、健ちゃん酒くっせえ」

「は?それはお前もやろ」

「キレられたーーー」



とりあえずみんなアコの事は認めてくれたというか、分かってくれたみたいでよかった。アコも気にしてたのは分かってたし…





何故だかニヤけた。またアコにキモいって言われるわ。








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作者名:コウ | 作成日時:2018年2月21日 21時

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