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広臣とHIROさんのオススメのメニューを頼んだ。
「お前これだけでいいの?」
『うん。バイトの賄い食べてきちゃったから』
緊張しすぎて喉を通らないだけなんだけど。
ああ目の前を向けないわ緊張し過ぎて。
まじあたしどうした。いつものアコはどうした!
「登坂から話は全部聞いてるよ。お家で色々あったそうだね」
『はい』
「アコちゃんはさ、今楽しい?」
え、
ちらっと隣を見る。広臣と目が合う。
あたしはHIROさんの方を向き直して真っ直ぐに答えた。
『はい。めちゃくちゃ楽しいです』
自分で言ってからなんか恥ずかしくなる。
何も言うなよ、何も言うなよ広臣!!
もう一度ちらっと隣を見てみる。
「………」
なんで何も喋んないんだよ!ほくそ笑んでんじゃねえよ!ますます恥ずかしくなるじゃんか!
てか広臣のやつ、どこまで話してるの?
この人偉い人なんだよね?怒んないのか?
だって、知らない高校生を拾ってきたみたいなもんなのに。今更だけどさ。
「僕も高校生の頃親と色々あってね、勝手だけどアコちゃんの気持ちは分かるつもりなんだ」
広臣があんなに慕う気持ちがわかる気がする。
『本当に、楽しいです』
「ならよかったよ」
この人の笑顔はとても人を安心させる。
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作者名:コウ | 作成日時:2018年2月21日 21時