52 登坂広臣side ページ3
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『今日泊まってもいいですか』
がんちゃんからラインがきてた。
もちろんokを出した。
そもそも、アコとがんちゃんに仲良くなって欲しくて2人を最初に会わせた。
アコは多分俺が仕事で家にいないのは寂しいんだと思う。口では言わないけど。高校生とはいえまだ子供だ。
だから俺がいない間がんちゃんにいて貰えれば寂しくないかなって思ったのだ。
あと、アコは多分、人と話すのが少し苦手。
そしてそれを本人もわかってる。
だから1番年の近いがんちゃんと話せば少しは治るかなって。
と、思ってたのに、いつの間にか仲良くなりがんちゃんの悩みをアコが聞いてる始末。
俺逆を狙ってたんだけど…
「ただいま」
明け方4時、ようやく帰宅。
重い体を動かしてなんとなくアコの部屋のドアを開ける。
あ、最近明け方までテレビに張り付いてるのに今日はちゃんと寝てる。
いつも俺にリビングのテレビを『見るな!』なんて無茶なことをいいながらアコはDVDを見てる。恐らく見てるのは俺のライブのDVD。
わかってるけど言ったら面倒そうだから言わないでおいてる。なんでそんな恥ずかしがってるんだろ。
ベッドに近づくとアコの頭が見えた。
「え」
アコの目元は光っていた。泣いてる。何で?
よく見てみると眉間にシワが寄っていて、唇を強く噛んでいた。
あ、いつも唇が乾燥して血が出てるんだと思ってたけど、本当はこれが原因か。
でも、何か嫌な夢でも見てんのかな。
明日聞いてみよ、とりあえず眠い。
明日はオフ。何しよう。
そんなことを考えながらフラフラと自分の部屋に入り、ジャケットだけ脱いでベットに倒れこんだ。
「…ん」
「痛っ!!」
なんか、固いな。
ベットじゃないみてえ。まあいいか。
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作者名:コウ | 作成日時:2018年2月21日 21時