家出少女２ (ページ20)

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カコが帰ったあと、スマホと向き合うあたし。

メールにしようかと思ったけど、文字を打つのが面倒なので電話をかけてみる。

コール音が続く。

仕事中だろうしな。出る訳ないか…

『はーい、もしもし』

『あ、でた』

『でるよ(笑)俺の電話だもん』

『そうだよね、ごめんごめん』

『どうしたの？』

『ちょっと話あるんだけどさ…今日とか明日とか空いてない？』

『今日ってもう9時だよ』

『えっうそごめん』

カコと話してたらあっという間だった…。もう9時か。

『明日から泊まりでリハだから、今からでもいいよ。夜ごはん食べてないでしょ？』

そう岩田が言ったとたん、あたしのお腹がぐるるるるるるる、と鳴った。やべ。

『めっちゃお腹鳴ってるーーー』

『うっそ聞こえた？！』

『音でかすぎ(笑)今からそっち行けばいい？』

『あ…どっか、お店とかにしない？岩田の好きなところでいいから』

マンションの前についたタクシーに乗り込むと、

「地味にアコからご飯のお誘いってないから嬉しかったわーー」

そう笑う男がいた。

『そんなことないわ』

「寿司とかでいいよね？」

『寿司好き！！！』

「はい決定ーー」

タクシーが走り出す。

『今日仕事だったの？』

「そうそう。4月からTRIBEのライブ参加するからそれのリハ。で、明日から一泊の強化合宿」

『TRIBEて誰？』

「EXILEとか事務所の所属アーティスト全員参加のライブね、てかアコ見に来なよ。高野さんに言えば席とってもらえると思うよ」

『学校なかったら行こうかな』

「あ、そっか学校あんのか。さぼっちゃえ」

『絶対さぼんない。あたし3年は真面目で行くから！』

「あはは、絶対無理でしょ！」

『失礼な…てかごめんね、明日合宿なのに呼び出して』

「いやいや。合宿前の小さな晩餐てことで！酒飲んでいいよね？」

こういう風に、岩田はこっちが気を使わないように気遣ってくれる。そういうところは結構好き。

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