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『お疲れ様でした』
「安藤さんお疲れ様」
バイトが終わって店から出る。
うおお、寒い。薄着しすぎたかも。
ツイッターを徘徊しようかと携帯を開くと、カコから連絡がきてた。
”バイト何時に終わる?”
”今終わった”
すぐに返事がくる。
”今から会える?”
”いいよ”
そう送ってから、あ。といいことを思いつく。
”うちくる?”
まあ正確には広臣の家なんだけど。
さっきバイトの休憩の時に、広臣から今日も遅くなるという連絡がきてた。三代目の集まりって言ってたから岩田も多分来ないだろうし。
「アコ〜〜やっほう」
『よーーなんか久しぶりだね』
「だね。お互い最近バイトばっかりだったしね」
『それな』
「登坂さんは今日いるの?」
『今日は仕事で遅くなるって言ってたからいないよ。てか荷造り出来てる?出発地味にすぐじゃない?』
「あたしは終わったんだけど、お父さんが全然終わってなくて結構やばい」
『うーん。カコのが終わってなかったら手伝うつもりだったけど、さすがにお父さんのは手伝えないわ』
「そりゃそうだ」
そう言って笑う。
あ、なんかカコとこうして笑うの久しぶりかも。
そしてその回数はこれから減るんだろう。
『着いたよ、ここ』
「うお、え?ここ?」
マンションを見上げて驚くカコ。
うん、言いたいことは分かる。
『芸能人のわりにしょぼって思ったでしょ』
「い、いやそんなことは思ってないけど…意外と普通のところ住んでるんだね」
『あはは、あたしも思ったから大丈夫だよ』
まああたしが前に住んでたボロアパートに比べれば全然桁が違うんですけどね。
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作者名:コウ | 作成日時:2018年2月21日 21時