月の雫

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その後の昼休みもみんなでラーメンに誘われたけど、お弁当を持ってきてしまっていたので断った。


初日からご飯に誘ってくれるなんてすごいな…
というか断る私もなかなか失礼だったよな…
すみません…




デスクにお弁当を広げて、いただきますと手を合わせる。
そこで何かが足りないことに気付き、ようやく家に水筒を忘れたことに気づいた。



どうしよう。でもそんなに喉渇いてないし…

ああでもこれからライブだし今日帰るの遅くなるだろうから、一応買っておいた方がいいかな。

同じ階に自販機があったはず。


お財布をカバンから出して立ち上がった。





そう、今日は安藤さんと約束していた三代目さんのライブの日なのだ。

安藤さんは今日代休でお休みなんだけど
私の仕事が終わる頃にわざわざ車で迎えに来てくれるそうだ。



でも、何時ごろに来るのかまで決めていなくて、朝メッセージを送ったんだけど返事が返ってきていないんだよな…。

まあ仕事が終わったら電話すればいいよね。




やっと自販機の前に到着しお金を入れる。
お茶のボタンを押してから取り出すためにしゃがみ込んだ。






「安藤さんさぁ。体調崩したかなんかでこれからしばらく休むらしいよ」

「えーあの子って前も倒れてなかった？どんだけ体弱いの？」

「てか最近やたら出張とか行ってるけどほんとはただのズル休みなんじゃない？」

「それでも休めるってやっぱ社長直々のコネ入社はちがうよねえ。あー羨ましーい」




大きな声でそんな話をしながら、私の後ろを通り過ぎていく女性社員。


びっくりした。久々のこの感じ。
自分のことじゃないって分かってても背筋が凍った。


安藤さんって…安藤さんだよね。


なんか…色々と気になる箇所があり過ぎたんだけど、安藤さんが体調崩して休むってあの人たちは言っていた。


たしかに最近ずっと体調は悪そうだったけど、今日は私とライブに行く予定だし、休むほどではないはずなんだけど…





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