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鳴瓢side
Aがいなくなった、俺はAの兄として、百貴さんはAの友人として葬儀に出た、葬儀の場には俺の親と、他に亡くなってしまった研究員の人の親や彼氏がいた、女子生徒10名が亡くなりこれはテレビにも報道された、葬儀中は俺も百貴さんも泣いた、終わったあとも泣いた、妻子を亡くし、最愛の妹までも失った、俺の親も俺に泣きついてきた
｢秋人…あの子はどうして…｣
｢母さん…俺だって…俺だって…っ｣
｢鳴瓢さんのお母さんとお父さんですか？｣
｢えぇ、あなたは？｣
｢俺は鳴瓢さんの元上司で今は井戸端の室長をしてる百貴船太郎と申します、お宅の娘さん…Aの友人として今日は出させていただきありがとうございます｣
｢いえいえ…あの子のためにありがとうございます｣
そう言い俺の親は頭を下げる、葬儀には外部調査班もいた、それもそうだよな、って当たり前か…
｢俺は…Aさんのことが好きでした｣
｢そうだったんですか…｣
｢今じゃ…遅いです…よね……気持ちを伝えるのは｣
｢今でもいいんじゃないかしら、あの子はきっと喜んでくれるわ｣
｢鳴瓢……｣
｢分かったよ！俺もついて行くから！母さん達ちょっと待ってて｣
｢えぇ、待ってるわ、気が済むまでいなさい｣
｢すみません…｣
俺と百貴さんでお墓の前まで行った、もう線香も上げ終わり、煙がまう、ゆらゆらと、それは緊張感を持たないAのようだった、百貴さんはしゃがんだ、そして手を合わせ、声を出してこういった
｢A……俺はお前のことが好きだった……Aが生きてる間に言いたかったよ……なぁ…Aは俺の事好きか？俺はお前が大好きだよ……その明るい声が、元気な笑顔が……俺を呼ぶその声が…っ！呆気ない最後迎えて…俺も鳴瓢も…悲しいよ…｣
｢……｣
｢鳴瓢さん、百貴室長、ちょっといいですか？｣
｢どうした、本堂町｣
｢これ、鳴瓢さんの親から貰ったんです！手紙ですよ、鳴瓢さんのと、百貴室長のもあります、今読みますか？｣
｢あぁ｣
俺も百貴さんは手紙を受け取り読む、あいつ元から字が綺麗じゃないからいつも怒られてたくせに綺麗に書きやがって…
『秋兄へ！これ読んでるってことは私…天国にいるんだね！研究員になれたのになー私ね百貴さんのこと好きなの！でもね何も言えないまま終わっちゃたよね？だから手紙書いたの！もっと書きたいことあったんだけど何も無くて…探偵の仕事頑張ってね！！…愛してるよ秋兄！』
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作者名：紅華(元→阿嘉月) | 作成日時：2020年6月15日 0時
