16話 ページ17
母「おはよう2人とも。…ふふ、2人が一緒にいるなんて凄く久しぶりね。お母さん凄く嬉しい」
そう言ってにこりと笑う母さんに心が痛む。
『…別にそんな事ないと思うけど。時間ないから俺が詰めるよ。作ってくれてありがとう。』
なんて言えば母さんの横を通り弁当箱を取り出せば今日の朝ごはんを詰め鞄に入れる。
『それじゃあ行ってきます。』
そそくさと玄関へと向かい靴を履けば類を待たずにドアノブへと手を掛け家を出る。
類「A!待っておくれ!」
それを追うように家を出た類が後ろから走ってくれば俺の肩に手を置く。
『何?…あぁそうだ。ありがとう類、起こしてくれて。お陰で遅刻せずに済んだよ。』
類「それはいいんだ。僕が勝手にやった事だしね。それよりA、その…たまには一緒に学校へと行かないかい、?」
『………は?』
何を言い出すかと思えば学校に一緒に行きたいって?
『やだ。無理。断る。さよなら』
そういい捨てれば止めていた足を動かし学校へと向かう。
が、そんなことが叶うわけもなく腕を掴まれる。
類「そんなつれないこと言わないでおくれよ」
なんて言いながら俺が逃げ出さないようにかしっかりと腕を絡め恋人繋ぎをしてくる。
『ねぇ、これ何?普通に周りの目気になるからやめて欲しいんだけど…』
案の定周りに目を向けると女子同士がコソコソと話していたりすれ違う老人には「あらぁ仲が良いわねぇ」なんて言われる。
最悪だ。
そう思っていると公園の入り口で見覚えのある1人の少女が突っ立っていた。
類「やぁ寧々。待たせてしまったね。」
その名前に指先がピクリと動けば類の視線を辿る。
寧「はぁ…やっと来た…。約束の時間とっくに過ぎてるんだけど。」
俺の目の前で繰り広げられる会話に俺いらなくても良いんじゃない?とは思いつつしっかりと類に確保されているため先を急ぎたくても急ぐことが出来ない。
寧「それでわたしにどうしても合わせたい人って誰?さっきから類が後ろに隠してる人?」
類が先に寧々にメッセージを送っていたのか寧々の口から出てくる言葉にまさかと思い俺を隠すように俺の目の前に立っている類を睨み付ける。
ていうか双子なのに10cmも差があるってふざけてると思う。
などと思っていれば類はあぁと口にし俺の前から類が斜め後ろへと下がる。
類を睨み付けてはため息を吐き、引き攣った笑みを貼り付け類に握られていない手を軽く上げる。
『ひ…久しぶり…ね…寧々…』
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甲殻類アレルギー - kNaeさん» コメントしてくださりありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいですッ頑張って更新してまいりますので何卒よろしくお願いいたしますッ (2022年11月12日 20時) (レス) id: df7a45bd54 (このIDを非表示/違反報告)
kNae - 凄くいい!!続き待ってます!! (2022年11月3日 22時) (レス) id: 8fd6d2801c (このIDを非表示/違反報告)
甲殻類アレルギー - 陽南さん» そう言っていただけて凄く嬉しいです!更新頻度バラバラですが、それでも応援してくださるとありがたいです!これからもよろしくお願いします! (2022年10月24日 21時) (レス) id: df7a45bd54 (このIDを非表示/違反報告)
陽南(プロフ) - コメント失礼致します。好みの小説に出会えました。これからも続きを楽しみにしております、無理がない程度に頑張って下さい! (2022年10月16日 12時) (レス) @page27 id: 14268cddd3 (このIDを非表示/違反報告)
甲殻類アレルギー - 冬雪さん» 今更ながらの返信お許しください、!自身の妄想を書き散らかしてるものにそう言っていただけで感極まりないです!!冬雪様のメッセージを糧に更新頑張っていきます!!これからも何卒よろしくお願い致します! (2022年9月19日 14時) (レス) id: df7a45bd54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甲殻類アレルギー | 作成日時:2022年3月22日 1時