1話 ページ2
K「それじゃあ今日は終わりにしよっか」
[分かった。それじゃあ先に落ちるね。おやすみ]
そう挨拶だけすれば他のメンバーの返答も聞かずにナイトコードを閉じる。
『はぁ…』
一つため息を吐けばカーテンの隙間から外を覗く。
まだ夜が開けてない暗い世界を確かめれば目覚ましをかけベッドへと横になる。
毛布を肩までかけ体を右へと動かし何もない壁を見つめればすぐに眠気が襲い瞼を下ろす。
何故彼は…。
何故湊人(みなと)は命を絶ってしまったのだろう。
夜になりベッドへとつき寝ようとするたびに走馬灯のようにたった一人の親友だった湊人との思い出がフラッシュバックする。
そしていつのまにか眠りに付き目覚ましの音で目覚める。
体をむくりと起こし目覚ましを止めればリビングへと足を進め目を覚ますために冷水を顔にかける。
タオルで顔を拭けば気休め程度には眠気が無くなり、昨日学校の帰りに買ってきたサラダなどのご飯を取り出せば机と向かう途中にお茶や箸を用意し席へとつく。
まだ家族は誰一人も起きておらずカーテンを開けていない、電気も点けていない暗い部屋に自身の端末の光がより眩しく思える。
シャキシャキとサラダを噛む音に時計の針が進む音、そして自身が端末をタップしスクロールする小さな、その微かな音達のみが響く空間に謎の安心感を抱けばあっという間にご飯を平らげ片付けを始める。
時刻を確認し学校の準備を始めた数分後に親の廊下を歩く音が耳へと入る。
『母さん今起きたんだ。…そういえば昨日何か俺に話しかけようとしてたよな…』
…でもまぁいっか。母さんが嫌いなわけじゃないけど話す必要もない。
母さんは俺より類の方が大切みたいだし。
そんなことを思いながら学校の準備を終わらせれば時刻は類が起きる数分前となっていた。
すぐに鞄を持ち階段を降りれば母さんがいるキッチンへと向かう。
『おはよう母さん。今日も夜ご飯いらないから。それじゃあ行ってきます』
そう母さんの言葉を聞く前に玄関へと向かい靴を履けば上から目覚ましの音が聞こえて来る。
端末をタップし時刻を確認すれば類の起きる時刻となっていた。
ドアノブに手をかけ玄関の扉を開ければ後ろから母さんの声が聞こえてくる。
母「A…!!Aの高校に…〜〜〜!!」
そしてドタバタと階段を駆け降りる音と微かに聞こえて来る母さんの声を無視し振り返ることなく足を前へと動かす。
……今日も類と顔を合わすことなく過ごせそう。
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甲殻類アレルギー - kNaeさん» コメントしてくださりありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいですッ頑張って更新してまいりますので何卒よろしくお願いいたしますッ (2022年11月12日 20時) (レス) id: df7a45bd54 (このIDを非表示/違反報告)
kNae - 凄くいい!!続き待ってます!! (2022年11月3日 22時) (レス) id: 8fd6d2801c (このIDを非表示/違反報告)
甲殻類アレルギー - 陽南さん» そう言っていただけて凄く嬉しいです!更新頻度バラバラですが、それでも応援してくださるとありがたいです!これからもよろしくお願いします! (2022年10月24日 21時) (レス) id: df7a45bd54 (このIDを非表示/違反報告)
陽南(プロフ) - コメント失礼致します。好みの小説に出会えました。これからも続きを楽しみにしております、無理がない程度に頑張って下さい! (2022年10月16日 12時) (レス) @page27 id: 14268cddd3 (このIDを非表示/違反報告)
甲殻類アレルギー - 冬雪さん» 今更ながらの返信お許しください、!自身の妄想を書き散らかしてるものにそう言っていただけで感極まりないです!!冬雪様のメッセージを糧に更新頑張っていきます!!これからも何卒よろしくお願い致します! (2022年9月19日 14時) (レス) id: df7a45bd54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甲殻類アレルギー | 作成日時:2022年3月22日 1時