君は僕たちのプリンセス【雪男】

俺たちだけの姫でいて欲しい （黄） ページ46

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驚きすぎて俺を含めて、その場に居るみんなが声を出せずにいる。




クリパをテーマに撮影するようで、それぞれの衣装に着替え終わった男たちは既にスタジオの控え場所で いつも通りわちゃわちゃしてんだけど。



深｢A遅くね？｣



いつもなら俺たちと殆ど変わらないくらいでスタジオ入りするAが、珍しく支度に手間取ってんのか？


暫く待ってるとコツコツと、この現場ではあまり聞きなれないヒールの音がして、そっちに振り返ろうとしたら目の前にいた阿部と翔太が目を見開いて固まってた。



どうした？ て、振り返って直ぐに理解できた。


これまでボーイッシュな格好ばかりしてきたAが、サンタクロースのワンピース姿で立っていたから。



渡｢…っな、ななな、！｣

宮｢翔太、"な"しか言ってないよ？｣



Aを指差して、パニックに落ちた翔太。

でもその顔は真っ赤だ。


佐｢……ヤバいわ。サンタコスとか、ダメだって｣

阿｢……佐久間、今ヤラシイこと考えただろ｣

佐｢……そう言う阿部ちゃんこそ｣


佐久間と阿部は、鼻を摘んでAから顔を逸らしてるし。



深｢お前それどうした？｣

｢……き、今日はこれで撮影すんだって。に、似合わないね。あはは！｣


ミニスカートからでる白くて細いすらっとした美脚をモジモジさせて、そばに寄って上から下まで吟味するふっかと、照れからか自嘲気味に笑うA。



深｢は？ 似合わないわけねぇじゃん｣

｢え、｣

宮｢やっぱり姫に似合うと思ったんだ｣

深｢あ、もしかして"これ"舘さんの仕業？｣

宮｢うんそう。アンケートで書いたんだ。姫に女の子の格好をさせたいってね｣

｢これ舘さんの仕業だったのか｣



あああのアンケートか。

さすが舘さん、粋なことするよな。



｢それじゃあ全員揃ったので撮影に入りまーす！｣


スタッフさんの声に全員立ち上がってスタンバイ。


いつもと若干違う空気感に戸惑うメンバーも、仕事となるとしっかり顔を引き締めている。



｢……あっ、｣

岩｢と、大丈夫？｣


履きなれないヒールで躓いて転びそうになったAを支えると、ボブヘアーがサラッと揺れた。



｢あ、ありがとう！ いつもスニーカーだから慣れないわ｣






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