大切なプリンセス (桃) ページ11
・
佐久間とAの関係性について。
「さっく〜ん、おいでぇ」
「なんでやんすか?」
普段から割と仲が良い俺たちは、どちらもオフの日になるとどちらかの家に入り浸ることも多い。
けど俺は休みの日となれば、録り溜めしたアニメを消化したいの。
だからテレビは常にアニメが流れているし、佐久間さんの視線もテレビに向いている。
「こっち向け」
「おわっ!?」
隣に座っていたAが、呼んでも俺が顔を向けないもんだから苛立ち初めて、強引に顔を持って向きを変えた。
グキって鳴った首が痛いです、Aさん。
「さっくん、アニメと私どっちが好きなんだい?」
「アニメ」
「即答かコラ」
気に食わない返答に舌打ちされた。
「だったら遊びくんなよ」
アニメ観る時間は佐久間にとっては重要なの。
それを邪魔されるのは、いくら優しい佐久間さんでも怒るよ。
「…………」
あれ?
ちょっとキツく言い過ぎた?
何の返答もなく立ち上がったAは、鞄を持って玄関に向かう。
え?ちょっ……
「A! 帰んの?」
「……だって邪魔なんでしょ?」
少し振り返って上目遣いで佐久間を見上げるAの瞳はちょっと潤んでる。
「ああ、もう…」
捨てられた仔犬みたいな感じで、佐久間の心を揺さぶるなって。
「ごめん。キツい言い方した」
「……邪魔じゃない?」
「邪魔なわけないじゃん。Aは佐久間にとって1番大切なお姫様でやんすよ」
後ろからAの細い身体を包み込むと、機嫌が治ったのかクスクスと笑い声が漏れる。
「ふふ、私にとってもさっくんは
最高の王子様でやんすよ」
「1番?」
「さあ?」
こういうとこだよホント。
"俺たち"はいつもAが1番だよって甘やかしてるのに、Aはいつも誤魔化す。
それでも誰か"ひとりの彼女"になってほしくないから、俺はこの関係に割と満足している。
「A、構ってやるからこっちおいで?」
「あれ?アニメ観るんじゃないの?」
もうそんな気がないの分かってるくせに。
「お前寝かせたら観るからいい」
そう耳元で囁けば、耳まで赤く染めるんだから可愛い奴だよね。
.
2978人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2021年8月18日 21時) (レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ツイッターフォローさせていただきました。よろしくお願いします。これからも楽しみにしてますね。 (2021年8月18日 20時) (レス) id: f1f38f9fe9 (このIDを非表示/違反報告)
Yume(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます!Snow Manみんなそれぞれ良いですよね(^^)全員を上手く出せるように頑張ります!身体の気遣いもありがとうございます!美紀さんも気をつけてくださいね(^^) (2020年6月24日 16時) (レス) id: 9984191ae6 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です更新大変だと思います頑張ってください応援してますコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年6月23日 20時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:☆ゆきんこ☆ | 作成日時:2020年6月18日 23時