304:Tear Drops ページ35
緑谷side
緋龍さんが僕の目の前で倒れた
口からはポタポタと赤い液体が垂れ流れ、目に見えるようなところにある、毛細血管は内出血を起こし斑点状から蜘蛛のような紫色の巣を作り上げていた
最初はどう考えても僕せいだと思っていた
しかし、かっちゃんの表情を見るに原因は僕だけではなさそうだ
｢また誰にも言わねぇで無理しただろてめぇ！！｣
『アハハ…自己管理できた……自信は………あったんだけどなぁ』
その場にいた誰もが緋龍さんを囲んで心配の眼を向ける
｢飯田、相澤先生に連絡いれてくれ｣
その中でこういう事が起きるのを唯一分かっていたとでもいう行動を取ったのは轟くんだった
右手を額に乗せて少しでも体温を下げようとする
かっちゃんもそれを振り払おうとはしなかった
ただ、僕は自分の中にある心配とは別の感情があった
それをどうしても堰き止めて置けずに溢れ出てしまう
｢君は馬鹿なんじゃないの！！！｣
シンと静まり返っていた沈黙を自ら破る
｢み、緑谷いきなりどうしたよ？｣
｢ごめん、この際はっきり言っておこうと思って｣
顔がちゃんと見えるようにしゃがむ
｢自己管理ができない？いつもの、なんでもスマートにやりこなしちゃう緋龍さんは何処にいったんだよ！！｣
｢ちょ、デクくん、Aちゃんだって完璧じゃないんよ 何もそんなプレッシャーを与えるような言い方…｣
｢でも実際、実力的に言えばどう考えたって緋龍さんが飛び抜けてるのは火を見るより明らかだろう！？｣
緋龍さんは自分の為ではなく、自分以外の誰かに対して持っている力を使える人だ
ただそれはいき過ぎると自分のことなんかどうでも良くなるんだ
僕もそういう系統の人間だから緋龍さんの気持ちは良くわかる
脳裏に母の泣き顔と僕の背中を押してくれた言葉がよぎる
｢君は僕なんかより凄い人だ 周りを心配させないでやり通すことぐらい朝飯前だろう？｣
｢あんま自分を責めんなよ｣
轟くんのその言葉を筆頭に周りにいたみんなも口々に言う
ただ、言葉はさっきみたいな軽薄なものではなかった
そう僕らはきっと彼女に寄りかかりすぎていたんだ
平和の象徴と謳われたオールマイトと同じように
『み、…んなっ……ごべん"…私、わたしっ…………！！ 』
今度は目からポロポロと零れ出す液体
それは頬を伝い口元の色素を薄めていった
彼女はその日初めてみんなの前で弱音を吐いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅緋(プロフ) - 白ちゃんさん» お返事遅くなってしまってすみません！！ひぇぇ、かっちゃんだけでなく緋龍ちゃんまで愛して下さるなんて嬉しすぎです(> <)コメントありがとうございました！ (2018年5月6日 14時) (
レス) id: 2c201c1f9b (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - もうこの話の緋龍さんとかっちゃんが愛しすぎて苦しいです（笑）！応援してます！更新頑張ってください！！ (2018年5月4日 22時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
紅緋(プロフ) - はるにゃーさん» まさにその通りです！笑正直言って名前が全然思いつかなくて… 姿かたちは好きに想像してください！笑私とてまるっきり真似をしたい訳では無いので笑コメントありがとうございました！(多分あってると思いますよ！) (2018年2月19日 20時) (レス) id: 2c201c1f9b (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃー(プロフ) - ...FAIRYＴＡＩＬですね...（英語あってるかわからぬ...） (2018年2月19日 17時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
紅緋(プロフ) - 小鳥遊 るる @優男さん» お返事遅くなってしまってすみません！ドキドキハラハラ…！今後の展開のご期待に添えるがわかりませんが精一杯書かせてもらいます！ありがとうございました(*^^*) (2018年2月12日 2時) (レス) id: 2c201c1f9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅緋 | 作成日時：2018年2月8日 16時
