君とカフェモカ ２

新しい年（あなたの傍で…）　（２ ページ45

*

　窓の外から除夜の鐘が聞こえる。

　あと数分で新しい年を迎える。

　良い年だったな…

　航平と出逢って、恋して、いろんな初めてを航平にもらった。

　あと数分後に訪れる新しい年はどんな初めてが待っているんだろう…？

　きっと楽しいことばかりじゃない―――

　辛いことも、悲しいことも、この先きっと来るだろう。

　でも、乗り越えて行ける…

　航平とふたりなら、きっと乗り越えて行ける。

　ふたりなら…


「なに難しい顔してるんだ？」

　年越しそばを食べ終わった航平があたしの顔を覗き込む。

「いや、何でもないよ…」

「そんな顔、Aに似合わないぞ！」

　そう―――

　あたしは能天気に笑ってるほうが、お似合いだ。

　笑顔でいれば、良い方向に物事が運ぶって誰かが言ってた…

「そだね！笑ってるほうがいいよね！？」

　そう言って思いっきし笑顔を航平に向けてやった。

「そうそう！Aは笑顔が一番カワイイんだ！―――オレがその笑顔にどんだけ救われてきたのか知ってるか！？Aのその笑顔を見るためにオレ、これからも頑張っていけるんだ。――――――A…ずっと笑ってて…オレの傍でずっと笑ってて…」

航平の腕の中、今年最後のキスをした。


　テレビの中は新年の挨拶を交わす声が聞こえる。

　新しい年の始まり―――

「おめでとう！今年もよろしくな！」

「おめでとう！こちらこそよろしくお願い しま す…」

　航平の腕の中、今年初めてのキスをした。


*

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