君とカフェモカ ２

初めてのXmas　（７ ページ43

*

　寝転んだまま、笑顔であたしを見ていた航平が身を起こし、すぐ隣に座り直した。

　真面目な顔してあたしの目を見つめる。

「ゴメンな… ――――――ゆうべオレ、Aのこと気遣ってやれなくて…ちょっと焦り過ぎちゃったかもしれない…体―――大丈夫？」

「――謝らなくていいよ…航平は別に悪いことしてないし。――――――体は…ちょっとヘンな感じだけど大丈夫だよ…」

　初めてのせいかは分からないけれど下腹部に違和感があってヘンな感じがする。

　でも、航平があたしのこと気遣って心配してくれた事が嬉しい。

　優しい笑顔―――

　フフッと笑ってあたしの頭をくしゃくしゃとなでる。

　そして優しくキスして抱きしめられた。

「――――――ずっと、一緒にいような…これからもずっと…」

　息がかかるほどの距離、甘い声で航平は囁いた。

　嬉しい…

　凄く嬉しいよ、航平…


　クリスマスイヴの夜、あたしの初めてを航平にプレゼントした。

　別にこの日の為にとっておいた初めてじゃない。

　でも、もう恋なんてしないって思ってたあたしの心を溶かしたのは航平だった。


「あたし、女に生まれてきて良かった… ―――――あたし航平に出逢えて良かった…」

「オレも…オレもAに出逢えて良かった…」

「好き！航平…大好きだよ！！」

「嬉しいな…Aが好きだって言ってくれることがオレには最高のプレゼントだよ…」

　気がつくと涙が頬を伝ってリングをぬらしていた。

　嬉しい涙は幸せで好きだ。

　胸の奥が暖かく幸せに満ちて行く。


　しんしんと降り続く雪 ホワイトクリスマス

　ソリに着けた鈴の音が遠ざかって行く

　クリスマスの朝 幸せ色のプレゼントが舞い降りた

　暖かな胸の中 包まれて

　また そっと目を閉じた


*

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