Cherry (3 ページ32
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ショッピングモールを出て川伝いに歩く。
「ちょっと、休憩しよっか。」
橋の欄干に向かうベンチに腰掛けた。
「キラキラして綺麗だね!」
川面に映るイルミネーションを指さしAが微笑む。
オレの意識はポケットの中のモノに集中していて景色どころではない。
ソワソワ、ワクワクが止まらない。
家に帰り着くまで到底、待てそうもない。
「A、コレ!」
オレはポケットの中から包を取り出すとAに差し出した。
「何これ?」
「今日のお弁当のお礼!開けてみて!!」
不思議そうな顔をしたAに早く開けるように急かす。
「えぇ〜!?なんだろ?」
オレは嬉しそうに包の封を開けるAの顔をじっと眺めていた。
どんな顔するんだろ?
それを想像するだけで思わず笑顔になる。
Aは紙袋のテープをはがし、そっと紙袋を傾け手のひらで、ソレを受け止めた。
「―――――――――ど う して?―――なんで?航平…」
ピアスをのせた手のひらが、心なしか震えているように見える。
嬉しさと驚きの表情が混在して戸惑っているようなA。
「Aは似合わないって言ったけど、コレ、絶対Aに似合うと思うんだ!だから…」
「―――――――――あ りが と…航平。」
ピアスをみつめるAの瞳には今にもこぼれ落ちそうな涙。
「ほら、貸して…着けてあげるから…」
Aはチェリーのピアスをオレの手のひらにのせると、今つけているピアスをそっと外した。
「――――――えっと…これでいいのか…な?―――――――――よし!出来た!!」
Aの耳に揺れるピアスがキラキラと輝いている。
「――――――あたしにはカワイ過ぎないか…な?」
「なんで?スッゲ〜、似合うよ。」
オレの言葉に頬を赤く染めフワリと優しく笑う姿が妙に可愛くて…
Aのツヤツヤと桜色に染まった唇がオレを誘うように微笑んだ。
頬に手を添えそっと顔を近づけていく―――
Aはビックリした顔で瞬きもせず固まったまま―――
「――――――コラ!ここは目、閉じるとこだろ!?」
「へっ?あっ!えっと…ちょっ、待って――――――」
「ダメ!待たない…」
やわらかなAの唇がオレの唇に触れた瞬間、体中に電流が駆け抜ける。
その電流はドキドキと共に幸せを運んで胸を熱くさせた。
Aと初めてのキスはCherryの香りがした。
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あんちゃちゃ(プロフ) - すごいよかったです( ´∀`)君とカフェモカ1だけだったとき地味にショックだったんですけど久々に見たら2があったのでとても興奮しました(笑)また内村選手で話を書いてくれると嬉しいです( * ̄▽ ̄) (2013年4月5日 1時) (レス) id: f0f9de7849 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 瀬乃さん» いえいえ、こちらこそ読んで頂いて、ありがとうございました(*^▽^*) コメントどうもありがとうございました!嬉しかったです^^ (2013年2月6日 20時) (レス) id: 4077e31fe6 (このIDを非表示/違反報告)
瀬乃(プロフ) - 完結おめでとうございます^^とてもたのしかったです!ありがとうございました!! (2013年2月6日 18時) (レス) id: 8745a292c1 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 瑠奈さん» 瑠奈さん、こんばんは^^ ご指摘の下のサイトのURLは入りやすいように、アドレス貼り直しました。また何かありましたらご指導のほどよろしくお願いします!ありがとうでした。(*^.^*) (2013年1月19日 18時) (レス) id: 4077e31fe6 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 瀬乃さん» 瀬乃さん、こんばんは^^ 長らくお待たせしました!更新頑張りますので、よろしくお願いします!(*^.^*) (2013年1月19日 17時) (レス) id: 4077e31fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクラ | 作者ホームページ:http://massugu1211udream.web.fc2.com/u-enter.html
作成日時:2013年1月16日 23時