君とカフェモカ ２

初めてのデート　（１２ ページ19

*

「―――航平？」

「ゴメン…謝るのはオレの方だ。――――――オレ、心が狭くてダメだ…」

　Aを他の誰の目にも触れさせたくない。

　このままAを閉じ込めて誰の目も触れないところにAを置いておきたい。

　でもそんなのは、ただのエゴだ…

「なんで航平が謝んだよ？なにかあったのか？」

　心配そうにオレの顔を覗き込むA。

「―――今、ここで練習してるのはオレだけじゃない…光史が言ったんだ…Aの事、カワイイって――――――誰にも見せたくない！Aがカワイイから誰にも見せたくない…」

　情けないことに、そこまで言うと泣きそうな気持になってしまった。

　今のオレの顔をAに見せたくは無い。

　Aの目を避けるように顔をそむけた。

「―――航平？あたしは全部、航平のモノだから心配しないで…誰にもあたしの心は奪えない。全部、ぜ〜んぶ航平のモノだよ…」

　Aはそう言いながらオレの背中に回した手をポンポンと優しく叩いた。

　Aの気持ちがオレの心を優しく包み込む。

　オレには無くてはならない人―――

「――――――A…愛してる…」

　そう言ったオレの顔が赤くなっているのが自分でも分かるくらい頬が火照っていた。


「オイッ！そんな押すなよ！――――――ヤバッ！」

「どああああぁぁぁぁぁ…」


　背後からの叫び声とともに光史たちが扉の前、折り重なるように倒れこみオレ達ふたりを見上げていた。

「ゴ、ゴメン…邪魔しちゃったな、航平…」

「あのな、お前ら――――――後で紹介しようと思ったのに…」


*

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