検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:49,705 hit

えぴそーど 8 ページ8

「なぁなぁ、ご飯食べた?まだだったら、また一緒に食べようよ!?」

 えっ?

 この子は毎晩ひとり、ここで夕食を食べているのだろうか?

「Aさんはいつもここで食べてるの?」

「そうだよ!自分んちの光熱費節約と残り物を使い切るためってのが理由…

この店、常連さんの為に少しだけどメニューに無い食材置いてるんだ。マス

ターの粋な計らいってヤツ?それが余った時、あたしの夕食になるんだ!」

「へぇ…エコだね。」

「そうそう!分かってんじゃん!」

「Aさんは独り暮らし?」

「そうだよ!――――――てか、なんで名前知ってんの?で、そのAさ

んってのやめてくれる?気持ち悪い…」

 また、気持ち悪いって言われた…

 ちょっとヘコむ…

「名前はマスターが呼んでんの聞いたからだけど、Aさんってのが気持

ち悪いなら、なんて言えばいいわけ?」

「Aでいいよ。みんなそう呼んでるし…」

 今日で会うのは2回目なのにいきなりAって呼び捨てか―――

 でも、本人がそう呼べって言ってんだからそうすっかな…

「じゃあ、A…今日は何、作ってくれるの?」

「さあ?なんだろな?出来てからのお楽しみな!」

 他愛ない話をしながらAはカウンターの中でこまめに手を動かし続

けた。

 ソースの焦げる香ばしい香り―――

「お待たせ!!」

 カウンターのテーブルの上に出されたそれはソースで「こうへい」と名前

の書かれたオムそばだった。

「わおっ!名前入りかよ!!」

「あたしのは、チューリップの花!」

 Aの皿を見ると黄色い薄焼き卵の上にソースでチューリップの花のよ

うなものが描かれていた。

「オレもそんなのが良かったな…」

 ちょっとガッカリしたように言ってみた。

「マジ?変えっこする?」

 ちょっと小首をかしげてオレを見ているAの仕草が可愛くて仕方なか

った。

 なんだろ?

 この気持ちは何なんだろう…?

「いや、せっかくだから「こうへい」を食べるよ…」

「じゃ、あたしはチューリップ、食べる…」

「自分で自分を食べるのか…」

 そう言った後お互いの顔を見合わせ笑った。

 こんな穏やかな気持ちで笑ったのは久しぶりだった。

えぴそーど 9→←えぴそーど 7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
設定タグ:内村航平 , 夢小説 , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

サクラ(プロフ) - ゆままさん» こんばんは!泣いたんですか?嬉しいお言葉ありがとうございます。^^ここで学んだことを活かしてこれからも頑張ろうと思います!コメントありがとうございました。 (2012年9月21日 23時) (レス) id: 4077e31fe6 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - ミノ。さん» どうもありがとうございました!^^ (2012年9月20日 21時) (レス) id: 4077e31fe6 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 瀬乃さん» 無事、完結することが出来ました。ありがとうございました!^^ (2012年9月19日 17時) (レス) id: d5274d1ab7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 由羅さん» ありがとうございます! (2012年9月19日 17時) (レス) id: d5274d1ab7 (このIDを非表示/違反報告)
瀬乃(プロフ) - 完結おめでとうございます。また頑張ってください!^^楽しみにしてます♪ (2012年9月19日 10時) (レス) id: 8745a292c1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サクラ | 作者ホームページ:http://massugu1211udream.web.fc2.com/u-enter.html  
作成日時:2012年9月1日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。