No.９ ページ10
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自分の部屋から計算すると、本当にだいぶ離れたところにあった夏油くんの部屋。
部屋の前まで着くと、本当に鼓動が早くなって仕方なかった。
もしも断られたらどうしよう、だなんて不安のせいにして扉を3回叩く。
3回とも音はまばらになるし、その後声に出したものは少し裏返っちゃうしで、自分の緊張が体を通して伝わってくる。
「はい」
艶のある声が聞こえたとほぼ同時に開かれた扉から顔を覗かせるのは、やっぱり揺れる前髪がよく似合う夏油くんで、夏油くんは驚いた顔をしてこちらを見ていた。
『あの、この後ってお時間あったりしますか、？』
まともに顔を合わせることもできず、語尾にかけてだんだんと小さくなる自分の声が情けなかった。
「あるけど、どうしたの？」
そんな私を察するかのようにより一層優しくなる彼の声色に、自分の顔に熱が集まるのを感じる。
『買い物、一緒に行けたらいいなって思って。』
あぁ、なんだか大事なことを伝えれてない気がする、と思いながらも、勇気を出してここまで喋れたのだから許されるよね、なんて思ってしまう私のことなんて置いて、夏油くんは「ちょっと待ってて」と部屋の中へ戻って行ってしまった。
これはOKということなんでしょうか。
案の定OKのサインだったらしい彼は部屋から出てくると、私の隣を歩いていた。
右隣を歩く彼の顔をそっと横目で見ようとすると、いいのか悪いのか彼と目が合ってしまう。
「さっきから顔が赤いみたいだけど、熱があるわけではないよね？」
少し心配だというような彼の視線に申し訳なさを感じる。
『あー、ちょっと走っちゃったからそのせいかもね』
えへへ、お恥ずかしいね。
なんて付け足して笑ってみた私は、彼の目にはどう映っているんだろう。
朝と同じように他愛のない話をしながら五条くんと硝子ちゃんの元へ向かう。
目的地に到着し『おまたせー』と笑って言えば、五条くんには「おせぇ」と文句を言われ、隣に立つ夏油くんに深いため息をつかせてしまった。
私、みんなで行くって言い忘れてたんだ。
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後輩(プロフ) - 雪菜さん» ご指摘ありがとうございます。気づけていなかったので助かりました！ (8月22日 3時) (
レス) id: 5118fb11d7 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - オリジナルフラグつけたままですよ！ルール違反になってしまいます。 (8月22日 3時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：後輩 | 作成日時：2023年8月20日 15時
