No.12 ページ13
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1週間の遅れで私は授業に参加することになったが、正直みんなが私を置いて仲良くなってしまうのではという不安が拭えなかった。
シャワーや朝食を済ませ、重たい足取りで教室へと向かう。
教室の近くに向かう度に重くなる足をしっかりと動かす。
教室からは何の声も音もしないからもしかしたら誰もいないのかな、なんて首を傾げて、自分が最初に教室に入って人を待ってる方が気が楽だなとも感じてしまう。
扉の前に立てば深呼吸をして肩の荷を下ろす。
緊張故か視線を落とすと私の手は震えていた。
「美甘さん?」
ひゅっと音を立てて心臓が飛び上がる
そっと振り向くとそこに立っていたのは揺れる前髪がよく似合う夏油くん
『あ、おはよう』
久しぶり
なんて付け足して笑ってみると夏油くんは少し間を空けてから挨拶を返してくれた。
「おはよう、久しぶり。」
一緒に教室に入り、他のメンバーが来るまで夏油くんとお話をしていた。
久しぶりにみる彼は私が行った任務について興味があるようで、少し質問攻めのような状態になった。
そういえばお互いの術式とかよく知らないんだよなぁと思いつつ、人に術式を簡単に教える術師は私を含めそうそういないだろうなという考えに落ち着く。
『そういえば昨日私のこと運んでくれたの誰なんだろう。』
ボソッとつぶやいたそれを夏油くんは逃さなかった。
「朝連絡したように私たちではないわけだから、自分で部屋に戻ったんじゃないかい?」
夏油くんの言いたいこともわかるけど、私は確かに誰かに運ばれる感覚があったんだよなぁ。
なんて言えるはずもなく、『んー、やっぱりそうなのかなぁ』と首を傾げることしかできなかった。
それからまた少し沈黙が生まれれば、先に口を開いたのはどちらでもなく、教室に入ってきた硝子ちゃんだった。
「Aじゃん、おはよー。」
「任務のお土産とかない?」
挨拶こそ先ではあったけど、久しぶりに会う人に1番に言う言葉がこれかぁ。と夏油くんと一緒に笑ってしまった。
それから朝礼ギリギリで五条くんが教室に入ってきて、一週間前よりもすこし仲良くなれていることを実感した。
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後輩(プロフ) - 雪菜さん» ご指摘ありがとうございます。気づけていなかったので助かりました! (8月22日 3時) (レス) id: 5118fb11d7 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - オリジナルフラグつけたままですよ!ルール違反になってしまいます。 (8月22日 3時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:後輩 | 作成日時:2023年8月20日 15時