No.１ ページ2
．
小さい頃から”見えていた”私は、母が”それ”に殺されるところをしっかりと目撃してしまった。
中学2年の夏だった。
”それ”と目があい、その場に立ち尽くした。
母が苦しみながら地を這いつくばい、そっと私を抱きしめた。
突き放すことなど微塵もできず、母に四桁の番号を伝えられた。
それが母の最後の言葉だった。
最後くらい、別れの言葉を吐けよ。
なんて涙と共に言葉をこぼした。
その後”それ”のせいで火事が起きた。
家が燃えていることに私は気づかず、異変を察知した近所の人が通報してくれていた。
煙い部屋の中、私は必死に母の口元をハンカチで抑え、ただ熱さで涙を枯らしていた。
そこから救助隊の人に家の外へ連れ出され、母のことを事細かく聞かれた。
でも私は”見えた”としか言えなかった。
そこからのことはよく覚えてない。
そしてただ、流れるように時が過ぎた。
空白の一年と少しを背景に、目の前にひろがる自然いっぱいの校舎。
”東京都立呪術高等専門学校”
きっとこの学校で1番”弱い”私の高校生活の幕開けだ。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 398人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
後輩(プロフ) - 雪菜さん» ご指摘ありがとうございます。気づけていなかったので助かりました！ (8月22日 3時) (
レス) id: 5118fb11d7 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - オリジナルフラグつけたままですよ！ルール違反になってしまいます。 (8月22日 3時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：後輩 | 作成日時：2023年8月20日 15時
