私がマスクを外す時【ハイキュー】【佐久早聖臣】

＃１２ ページ12

※Aside




A『背景は後からどうにかするんでとりあえず先生はじっとしててくださいな、』



美術室の隣にある空き教室の椅子に島田先生を座らせてキャンバスをセッティングする。



島田「俺じっとすんの嫌いなんだけど」



A『最悪寝ててもいいですけど、動画見たり音立てられると私集中力切れちゃうのでそれさえなければいいですよ。つか寝た方が先生も楽でしょうけどね？』



私はそう言いながら鉛筆を削る、

鉛筆の書き心地の良さったら何の、


島田「じゃあ俺は寝てようかな、お前キレるとめんどくせぇし？」



島田先生はまたカッカッカと笑う。

割と癖の強い顧問だな。



A『でも今日は1日で仕上げるつもりなので割と適当に描きますよ、だから、まぁ、先生とゆっくり話しながらでもいいかな、なんて考えてたんですけどね。』




島田「お前結局俺と話してぇだけじゃねぇかよ」



先生は私の頭に優しくチョップする。


お父さんたちに叩かれたりするときよりも全然優しくて、むしろ嬉しい気持ちになっていた。



うちの家族が周りと比べてちょっとだけおかしいことは自分でもわかってる。

普通は子供のことを打ったりしないってわかってる。

私よりもアユの方が愛されていることだってわかってる。


でも、叩かれたりすることで自分も家族に見てもらえているんだなって錯覚してしまうから仕方ないんだ。


これはもう永遠にほどけない呪縛の様だ。





島田「なんだA、気分悪いか？」



A『いえ、ちょっと考え事をしてただけですよ、ほらほら、動かないで』






自分を偽って生きようよ

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