お菓子作り+獄卒=カオス.12 ページ24
「田噛！今はそれどころじゃーーーー」
「おいA。お前、自分が嫌われたんじゃないかとか言ったな？」
そう言いながら田噛はオーブンを開くと、焼き上がったプレーン味のクッキーを一枚取り出した。そのままゆっくりとAに近づいて行く。
「ッ！だって……私に知られないようにしてたんでしょう？私が嫌いだから、一緒に作りたくなかったんでしょう！？」
浮かんだ涙を手で拭いながらそう叫ぶA。田噛は今日何度目かの溜息を吐きながらAの前に立つと、クイっとAの顎を持ち上げた。
「知られないようにする理由は、何も嫌うだけじゃねえだろ」
ほら食え、と持っていたクッキーをAの口に押し込む田噛。Aが一口齧ったのを確認すると、田噛は斬島に視線を向けた。
斬島は小さく頷くと、田噛と代わるようにAの前に立った。
「美味しい、か？」
「……うん」
小さく頷くAにホッとしたような笑みを浮かべると、斬島は今回の事をAに秘密にしていた理由を簡単に説明した。
「ーーーつまり、私に内緒だったのはサプライズだったからってこと……？」
「そう、なるのか？」
ぶっちゃけ特別Aに内緒にしていたわけではなかったし、この面子も最初は二人だったのが最終的にこうなったというだけだったのだが、それを言うとまた話がややこしくなりそうなので止めておいた。
「どうだ分かったか。別に俺らはお前を嫌いなわけでも、避けてたわけでもねぇんだよ」
「寧ろ皆、Aのことが好きだから内緒にしたんだよ」
「別に好きじゃねぇ！普通だ普通」
ぷい、とAから顔を背ける田噛。佐疫はそんな田噛を見てクスクスと笑うと、Aに視線を向けた。
「ごめんね、不安にさせちゃって」
「……ぐすっ、こちらこそっ、ごめん、なさい……っ」
「おー、よしよし」
泣きじゃくるAを宥めるように抱きしめながら、佐疫はそっと安堵の息を吐いた。
「おお、これおれの斧だよねぇ。あっ、これは谷裂の金棒じゃない？」
「ふん、平腹が作った割には良く出来てるな」
「ふふ、素直じゃないなぁ」
なんだかんだ言いながらも美味しそうに食べている谷裂に、真っ赤になった目を抑えながら吹き出すA。
「A！これお前のな！」
「わあ……私の武器の形だ。ありがとう、平腹」
受け取った二つのクッキーはとても温かくて、すぐには食べられそうになかった。
-終わり-
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akane(プロフ) - 鬼徹とのコラボストーリーが面白かったです。(⌒‐⌒)続きが気になります。( ´∀｀) (2017年1月16日 20時) (
レス) id: 1b44bb0a87 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - 名無しさん» 楽しんでいただけたようで嬉しいです！田噛はどうしてもツンデレになっちゃうんですよねぇ……。いつかはツン:デレ=3:7くらいの話を書きたいですww 応援ありがとうございます！更新頑張ります！ (2015年4月29日 21時) (レス) id: f152ab1d97 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - コメント失礼します！今日初めて拝見しましたが、一気に読んじゃいました！田噛くんのツンデレ具合が好きです。更新、楽しみにしています！ (2015年4月29日 19時) (レス) id: 31c782cab8 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - 蓮水さん» 可愛いですよねー(´ω｀)まさかこんなにあずにゃんについてコメントが来るとは思いませんでしたがww (2015年3月21日 22時) (レス) id: f152ab1d97 (このIDを非表示/違反報告)
沫村 - 紅月さん» 成る程、それは分からなくはないですね^^ (2015年3月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 992fc19708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅月 | 作成日時：2015年3月6日 16時
