＊なかなかカオスな ページ13
ここはショッピングモールの中にある喫茶店。私達はおしゃれな内装とはほど遠い雰囲気で着席している。
それも全て沖田大魔王の爆弾発言のおかげだ。
「お付き合いさせていただいてる、沖田総悟です」
だなんて言わなければこんなことにならなかったはずだ。平手打ち事件がなければもう少し早くこのモールから出ることができ、かつ、両親に会うこともなかっただろう。人に責任を押し付けるのは嫌いだが、これは確実に沖田総悟のせいだ。断言できる。
私は両親を目の前に、沖田総悟と並んで座っている。なかなかカオスな空間だと思う。店員さんも引いていた。なぜなら、母は満面の笑みで、父は怒り、私は焦り、沖田総悟は微笑んでいるからだ。
帰りたい。今すぐに自分の家に戻って眠りたい。睡眠薬でも麻酔でも何でも使って深く眠りたい。
「それで、あなたたちはどこまでいったの？」
私の母はちょっと変わっていて、未だに恋バナや恋愛ドラマなどが大好きなのだ。実家に帰ると、よく
「あなた！ このドラマ観なさい！ キュンキュンするから！」
とすすめてくるのだ。それは日本のものだけでなく、韓流ドラマまで幅広い。正直、時々引く。
「貴様、私の手塩にかけた娘に手を出したのか!?」
父もまあまあな変わり者だ。私の事になると、今のように厳しい父親になってしまう。カミナリオヤジと言われる部類に入りそう。働いているときはすごくかっこいいのだが。私が医者になりたい言ったのも、父に憧れたからなのに。
「まあ、恋人らしいことは一通りしました」
そしてコイツ。なぜか喋り口調も江戸っ子から標準語に戻している。どうやって戻したのか疑問だ。
いつもと違って礼儀正しいし、もともと顔が良いから、まるで少女漫画の
顔を見ると心の声が聞こえてくる。あー、めっちゃ楽しい、と。
「あらま、キスとかしちゃったの!?」
母が頬を紅潮させて身を乗り出す。
「母上、この人が言ってるのは全部嘘です!! 真に受けないでください」
私は母の暴走を止めるため、必死に訴えかける。しかし。そんなことはもう通用しない。
「何恥ずかしがってんだよ。そろそろ言わなくちゃだめだったろ？」
沖田総悟は真剣な顔で私に言ってくる。
「あんた何言ってんだ!! ちょっと黙ってくださいよ!!」
私のキャラがそろそろ崩壊しそうだ。……しかし、心の中の私は冷静だ。
「貴ッ様アアアア」
父も、机を叩いて身を乗り出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白桃餅子 - マリーナさん» こちらこそ初めまして！ ですよね、沖田くんかっこかわいいですよね！ ゆ、夢主と一緒ですって！？ おめでとうございます！！（？）いいなあ……一緒だなんて……！ あ、返信遅くなって申し訳ありませんでした。 (2018年8月12日 19時) (
レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
マリーナ - はじめまして！沖田くんがかっこいいし、かわいい！しかも夢主ちゃんと誕生日、血液型が一緒！ (2018年7月15日 14時) (レス) id: 05439fd47e (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - Sakurairoさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです！ 確かに沖田くん可愛いですよね。書きながら悶えてます(笑)応援もありがとうございます！ テスト頑張ってきます……！ (2018年5月6日 14時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
Sakurairo(プロフ) - 面白いです！！沖田君の１つ１つの行動が可愛くて！ 更新待ってます！テスト勉強頑張ってくださいね！！ (2018年5月5日 17時) (レス) id: 5935e5da26 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - 林檎はいつまでも……さん» いつもありがとう！ ドキドキしてくれたら本望ぜよ。 (2018年5月4日 12時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白桃餅子 | 作成日時：2018年1月14日 17時
