＊二つの人影 ページ12
眼鏡……めがね……メガネ……。
そう、私は未だに眼鏡を奪還できていなかった。あの沖田という大魔王から。早急にメガネ奪還作戦を実行しなければならない。だが、今はそんなことをしている場合じゃなかった。
私は近視だから、裸眼の状態では目の前がぼやけて歩くことが怖い。よって、沖田総悟の腕を掴むという、自尊心が砕け散りそうなことを強制的に行わされているのだ。
おわかりいただけただろうか。これが実行できない原因だ。
「そろそろ返してください……」
よろよろと歩く私は、先ほどから必死に懇願している。しかしながら沖田総悟はドＳなため、これに応じることはなかった。逆に、
「これ楽しいから返さねェ」
と笑っているのだ。ブチ切れられても文句言えない返答である。
気づけば、ショッピングモールから出ていこうとしていた。
その時だった。
「Aちゃん!?」
この声は……！
「は、母上!?」
振り返ると、二つの人影がこちらに向かっているのがかろうじて見えた。必死に目を凝らす私に、沖田総悟は眼鏡を返してくれた。あとでまた没収なと付け加えて。
「A、今仕事中じゃないのか？」
私達に追いついた母の横には父がいた。今日は二人で買い物に来たらしい。袋を持っている。
「あー、えっと、そのー……」
これをどう説明すればよいのか。二人と沖田総悟の顔を見比べながら私はパニックに陥りかけていた。サボりに付き合わされてるなんて間違っても言えない。言ったところで、嘘だと思われるのがオチだ。
「あの、あなたはAのお友達ですか」
母が沖田総悟に訊ねる。
もちろん会ったことがないから分からないのだ。お友達なぞではなく、上司という名のストーカーだということは。
すると、沖田総悟は会釈して微笑んだ。誰にも見せたことのような笑顔で。
「お付き合いさせていただいてる、沖田総悟です」
……ん？ ……お、お付き合い？
「何言ってんですか沖田隊長!!」
「お付き合いですって!?」
「付き合っているだと!?」
私と両親の声がぴったり重なった。母も父も目を見開いている。私も目玉が飛び出そうなくらいだった。
次の瞬間、母はパアアと笑顔になり、父は怒りの炎を燃やしていた。私は硬直して動けなかった。
「な、A」
沖田総悟は私の顔を覗きこんでくる。その顔はまさに少女漫画に出てくる美男子のよう。
この状況に焦った私はこの言葉を発することしかできなかった。
「ば、場所、変えましょう……？」
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白桃餅子 - マリーナさん» こちらこそ初めまして！ ですよね、沖田くんかっこかわいいですよね！ ゆ、夢主と一緒ですって！？ おめでとうございます！！（？）いいなあ……一緒だなんて……！ あ、返信遅くなって申し訳ありませんでした。 (2018年8月12日 19時) (
レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
マリーナ - はじめまして！沖田くんがかっこいいし、かわいい！しかも夢主ちゃんと誕生日、血液型が一緒！ (2018年7月15日 14時) (レス) id: 05439fd47e (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - Sakurairoさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです！ 確かに沖田くん可愛いですよね。書きながら悶えてます(笑)応援もありがとうございます！ テスト頑張ってきます……！ (2018年5月6日 14時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
Sakurairo(プロフ) - 面白いです！！沖田君の１つ１つの行動が可愛くて！ 更新待ってます！テスト勉強頑張ってくださいね！！ (2018年5月5日 17時) (レス) id: 5935e5da26 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - 林檎はいつまでも……さん» いつもありがとう！ ドキドキしてくれたら本望ぜよ。 (2018年5月4日 12時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白桃餅子 | 作成日時：2018年1月14日 17時
