ずっと一緒に

6 mari ページ6

「いい」



背中さすってやろうとしたのに
トイレのドア閉められちゃったし



すぐに出てきて何事もなかったかのような顔して手を洗ってるAに



「大丈夫？気持ち悪い？」


「大丈夫。
食べないで飲んでたから
吐いたら楽になった」





笑って答えてるけど
涙目だし顔色だってよくない



「さっき臣から電話きたよ
迎えに来てもらう？」


「いいよ 何かあったら困るから」





いやいや
何かあんのはあんたの方
臣を心配する前に自分の心配しろなんだけど





「もう帰るか 臣もうちょっとで家だってから」


「まだいいって
吐いたら飲めそうだし」


「えーほんと？
臣があんま飲むなって言ってたよ
だからもうよしなって」


「大丈夫だって」





そう笑って見せて席に戻れば
私の言った事なんか無視でさっきと飲むペースはあまり変わらず


そうすれば当然酔っ払ってくるわけで





こんな飲み方するなんて…
吐いてからも飲むなんて今までじゃありえないし


これ帰りたくないしかないよな


記事の事もあるし
臣がLA行っちゃって拗ねてるのもあるね
自分が行かないって言ったくせに








「あんたさー
臣んとこ行かなくていーの？」


「どーしよーか？
あっお土産…シャネル買ってこ〜いって言ってやったけど買ってきたかな？」





さっきからテーブルについた肘を何度もカクンカクン落として完全な酔っ払い口調。


どうしようも何も
臣は待ってると思うけど





「まあシャネルでもエルメスでも何でも買ってもらえ〜ついでに真理ちゃんの分まで買ってこ〜い」


「そうだ〜
稼いでる金全部使え〜バカ臣」



あーあ
拳上げてるよ


バカ臣出ちゃったし









「は？何言ってんの？」





後ろから聞き覚えのある不機嫌な声
その声に振り返ったA



「あー バカ臣だ」



指差して
言ったまま口開けてる



「ほんとだ。バカ臣だ」



Aに合わせて言ってみる
そんなこと言ってる私たちの後ろから顔を出した臣はAをジロリと見ると



「何そんな飲んでんの」


「うるさい バカ臣も飲め」



自分の生を差し出して
ふんって顔



そんなAを
呆れ顔で見た臣は



「はー」



肩を落として



「迎えに来たのに」



項垂れちゃいましたが
こうなった原因はあんたですから




この酔っ払い何とかしてよねバカ臣くん

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