sexy top cat

11 ページ11

いつの間に呼んだのか
マンションを出るとタクシーが横付けで待ってる





家を出る時にサングラスにマスクしてニット帽をかぶった臣は、よくよく見れば芸能人オーラ満載、芸能人気取りなんて言ってごめんだね





タクシーに乗り込んで、行き先を告げて走って行く
信号で止まって隣の臣を見ると携帯をいじってる
その向こうに目をやって隣の車を見ると





「あ…」
この車
運転席を見れば彼が運転して、助手席には女の子
ずっと見てると、臣が気づいて私の視線の先を見た





「このベントレー

あの写真のやつ？

運転してんのそうか？」



「………うん」





止まってる間臣と私でずっとその車を見てると
彼は女の子と笑いながら話してる





携帯を見ると、さっきのラインは既読済み
そのまま携帯を見つめたまま動けないでいると





「帰るか？」





携帯を握った私の手をとって繋ぎながら言ってくれる





「ううん

お酒飲みたいから行く」



「わかった

でもやけ酒すんなよ

ほんとは酔うとかわいく甘えてくるから俺はその方がいいけどね」





悪戯っぽく笑った臣に頷いて笑い返した





酔って甘えるなんか今まで一回しかないはずだけど
今日は甘えさせてもらいたいな





そう思ったけど
あのピアスを思い出したら
今の臣を考えたらやっぱり甘えちゃいけないな









タクシーで着いた先は
人気の多い道路から少し奥に入った、見た感じ何の店かわからない感じの入口のお店





中に入るとお洒落な居酒屋かな？
カウンターがあって、サングラスとマスクを取った臣はお店の人とアイコンタクトして私の手を取って奥に行こうとするけど





「うそ…」
カウンターにいたカップルに二人して固まった





臣は私の顔を見ると
手をギュッと強く握ってくる





そんな私たちに気づいたカウンターにいた男は
私を見て目を見開いたけど、隣の臣を見てにやりと笑うと





「登坂くん久しぶり

何年ぶりかな？

相変わらずいい男だね


またしても登坂くんに寝取られるとはね」





え…どういう事？
臣は彼の事知ってるの？





臣の顔を見ると
眉間にしわを寄せて彼を睨んでる





「竹原さんお久しぶりです

Aはそんなんじゃないです

あなたに遊ばれたこいつを慰めてるだけですから


では…失礼します」





低い声でそれだけ言うと
繋いだ手をもっと強く握って奥の個室の前まできた





中からは楽しそうな笑い声





それを聞きながら
臣に抱きしめられた

12 臣→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す