君と僕の攻防戦【So.M】 (ページ9)

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「さて、次行こうか！」

「え、まだあるの……ていうかお金！」

「払ったから大丈夫！そのまま着ていこうね」

　あ、タグだけ切って貰おっか、と店員さんに背中のタグを切ってもらい、また手を引かれて外へ。そのまま、アクセサリーショップに連れて行かれたりと、目が回るような１日を過ごした。

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「はぁー、美味しかったね！」

　暗くなり始めた帰り道、聡くんが楽しそうにふんふんと楽しそうに隣を歩く。

　くるくると聡くんに手を引かれるまま色んな所に連れて行かれ、聡くんによるフルコーディネートが完成し。「お腹空いたから晩ご飯食べよっか！」と、ちょっとお高いレストランで食事をした。

　ちなみに、そのレストランでのお会計も聡くんが済ませてしまった。……私、今日一銭も出してない。全部買ってもらってる。

　来月の家賃は全部私が払おう、と決意する隣で、「あのパスタのソースは何使ってたんだろう……」と聡くんは考えている。お店の味を再現するつもりなの？どこまで有能なの、聡くん。

「聡くん」

「うん？」

「今日、ありがとうね。生まれ変わったみたいに可愛くしてもらって」

　コツコツと音の鳴るパンプスも、ふわふわ風になびくワンピースも、耳元で揺れるイヤリングも。なんだか私じゃないみたいで、少し照れるけど。

　聡くんのくりくりとした目がきゅ、と細められる。夜なのに眩しそうな、嬉しそうな、不思議な目をする聡くんに、私の心臓がまたとくん、と大きく音を立てた。

「どういたしまして。

　……でもね、Aちゃんは、ずっとかわいいよ」