3回戦:君と喧嘩 ページ11
突然ですが、聡くんと喧嘩しました。
きっかけは些細な事だった。
授業終わりにカラオケに誘われたから、聡くんに出掛けるとLINEして遊びに行って。
夕方フリータイムをギリギリまで満喫した後、居酒屋で話してたらいつの間にか日付が変わる頃。……運の悪い事にスマホのバッテリーが切れてしまって、聡くんに今から帰ると連絡出来なかった。
まぁ、お店から家までは近くだし。終電より2本ほど早い電車に乗れたし、飲んだといっても2杯だけだから、まだピンピンしてるし。
だから、1人でも帰れるでしょ。
そんな結論に達した私は、1人で家まで歩き。
リビングでずっと待ってくれていたらしい聡くんと、喧嘩をした。
『なんでバッテリー持ち歩かないの!』
『今日たまたま忘れただけだよ! 聡くんだってしょっちゅう忘れるでしょ』
『でも、友達のLINEから連絡するとかさ! 危ないじゃん、1人歩きなんて!』
『心配し過ぎなんだよ。無事に帰ってこれたでしょ!』
……などなど。隣の部屋の人から苦情が来そうなほど大声で喧嘩したけど、言い合いは堂々巡りで。
『もうAちゃんなんかしらない!』
なんて聡くんの一言により、喧嘩は一時中断となったわけだけど。
……気まずい。すごく、気まずい。
翌日の朝、聡くんは私の部屋まで起こしに来なかったし、私はいつもより早く目が覚めた。
着替えてリビングに向かうと、丁度朝食をテーブルに並べ終えたところの聡くん。「おはよう」とだけ挨拶して、イスに座る。
「……いただきます」
ちら、と見上げた時に一瞬合った目。すぐに逸らされてからはもう合うことはなく、無言のままトーストを食べ進める。
部屋の雰囲気は、爽やかな朝とは思えないほどどんよりと重い。いつもは人一倍楽しそうに色んなことを話してくれる聡くんが、今日は黙ったままだ。
無言のまま朝食を食べ終え、後片付けをする。どんよりした空気のまま家を出て、学校について授業を受けるため別々になるまで私たちは一言も話さなかった。
101人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ