君と僕の攻防戦【So.M】 (ページ2)

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「いただきます」

　バタバタと着替えてテーブルにつく。髪の毛をきっちりセットした聡くんは、ニコニコと私を眺めながら手を合わせた。

「聡くん今日は１限？」

「俺は２限から！でも今日提出のレポートまだやってなくて」

　また勝利に怒られるー、と聡くんが笑う。いつものことだ。レポートをギリギリまで残す彼は、深夜に騒ぎながらノートパソコンとにらめっこする。

「だから一緒に行こうよ」

「ん」

　トーストの上に乗せられた、カリカリに焼かれたベーコンを口に含んで頷く。美味しい。聡くんはちょっとドジだしネジが一本足りないのではと心配になる時があるけど、料理がとても上手だ。

　１番最初に作ってくれたオムライスで見事胃袋を掴まれた私は、それ以降食事をほとんど聡くんに作って貰っている。

　トーストを食べ終えて、コーンスープも飲み干して。「ご馳走様でした」と手を合わせると、向かいの聡くんは「お粗末さまでした」とニッコリ笑った。

「Aちゃん、洗い物やっとくから準備してきなよ」

「ありがとう～～」

　料理を作ってくれる代わりに片付けは私の仕事なんだけど、朝寝坊をよくする私はいつも任せてしまっている。いつもごめんね、聡くん。

　顔を洗ってメイクをして、聡くんと２人で慌てて家を飛び出すと、なんとか授業開始に間に合う電車に乗る事が出来た。