第203話 検証！3 ページ12
ーーユウキsideーー
俺が本来の姿になったのは二回
たった二回だけのそれを
俺が酷く記憶を閉じ込めていたのには理由がある
一度目の変身は十何年と前
優しく美しい憧れであった母に一つ一つ教えられ
始めて生やした羽や尾、角は本当に小さくて
それでもちゃんと両親の物に形は似ていたものだから
俺は大いに喜んだ
それこそ羽の付け根が痛むことなど忘れる程には
鏡を見て、大喜びして
でも、笑いかけた母の顔は泣きそうで
その傷付いた様な、悲しそうな目も始めてで
余りの事に幼子らしくキョトンとする俺に抱きついて母が言うのだ
『ごめんなさい』『やはりなり損ないに』と
『貴方は悪魔の空を飛ぶことは出来ないのね』と
二度目の時、アル様にその話をしつつ変身した
あの人は俺のことを知りたがって、俺の昔話をせがむところがあった
しかしアル様も言うことは同じで
『確かに、なり損ないだな』
一度目より体と共に成長した羽も角も何もかも
結局、その一言で表せてしまうのかと
そして貴方もそんな
傷付いたような悲しい顔を向けるのかと
あの頃はわからなかった、けど
今ならわかる
ﾕｳｷ「俺の、俺の本当の姿は」
混血であるが上に不完全な形をして
所々がボロボロになっている
高く、長く飛べない俺の羽は言ってしまえば醜く
細く弱々しい角も、毛色の悪い尾も全て
ﾕｳｷ「余りにも、出来損なっていて、醜くて」
彼らを心配と、同情と、少しばかりの後悔とで
無垢で無知な俺は
ﾕｳｷ「きっと...大切な人を、傷つけるから」
溢れるまでいかず
溜まった涙でエミさんが見えない
エミさん、貴方も悲しい顔をしているの？
後ろにいるコネシマさんもゾムも？
手の震えが、止まらない
ーーーーーーーーーー
エーミールside
予想外だが、種族的にそれは大いに問題になる
昔何を言われていてもおかしくはない
しかしだ、と震える彼の両の手を強く握って
ありのままの私の思いを伝える
ｴｰﾐｰﾙ「ユウキ君、あのね」
今にも涙が溢れそうな目をしっかり見る
ｴｰﾐｰﾙ「私は、私たちは、貴方がどんな姿であろうとも貴方が貴方である限り、未来永劫ずっと愛していますよ」
ーーーーーーーーーーーーー
作者の夜月です
そろそろユウキ君に本来の姿への変身を習得してもらおうと
エミさんにスポットをと思って書き始めたのですが
以外と長くなってます…何故だ…
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夜月ルナ(プロフ) - nbeabeaさん» コメントありがとうございます！観ている実況者様が多いので沢山登場させてしまっていますw少しでも満足して頂いたなら本望です！頑張ってかいていきます！本当にありがとうございます！ (2021年3月13日 14時) (
レス) id: 012def0b6c (このIDを非表示/違反報告)
nbeabea(プロフ) - 初コメ失礼致します。大好きなゲーム実況者さんのほとんどが登場していてビックリしました(笑)大変満足感のある小説に少々心が苦しいですが、とても有意義な時間となりました。ありがとうございます♪次回話、楽しみに待ってます(*´ω｀*) (2021年3月13日 13時) (レス) id: ba58298660 (このIDを非表示/違反報告)
海玲 ミレイ - 初コメです！ もしかしてフェアリーテイル知っていますか？ (2021年1月2日 21時) (レス) id: 4fcf758c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月ルナ | 作成日時：2020年11月27日 0時
