異種族の国の中枢神経【実況者】四 (ページ30)

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第172話　地下の秘密5 ページ30

鬱「おじゃましまぁすっと」

『関係者以外立ち入り禁止』

『総統の許可なき者の立ち入りを禁ず』

と看板の掲げられた、通路奥に表れた扉を鬱先生が開ける

入って、俺は絶句した

そこは、完全なる実験施設

培養層が並び、器具の入った棚が目立つ中

鬱先生の手招く最奥に、一際存在感を放つ

大きな、機械、ロボット兵が

鎖に繋がれて、静かに佇んでいた

中に人のような〝ナニカ〟の入った

培養層の間を通り抜けて

その機械兵の目の前に立つ

鬱「これな、グルちゃんの造っとる〝兵器〟なんや」

ﾕｳｷ「グルさん、の？この、これが？」

壮観な、いや...壮大なソレに俺は言葉を詰まらせる

けれどよく見ればそれはどこかただの機械にしてはおかしいところがあって

ﾕｳｷ「人、ですか？」

鬱「そ、人が素体の戦争兵器や」

ﾕｳｷ「素体...」

鬱「悪趣味やろ...なぁ、って」

鬱先生が俺の顔を見て、一瞬驚き呆れて、そして笑う

俺は今きっと...とても子供のような

ワクワクした顔をしているんだろう

こんな非、人道的な物なのに

これがどういう風に動いて、どうやって戦うのか

俺はそこを考えてワクワクしてしまう

鬱「は、はは...流石やなぁ...」

流石、の意味を理解できなくて鬱先生の方を見ると

鬱「いや、お前ホンマにヤバイなぁって」

そのまま、なんですかそれ！とぎゃーぎゃー言い合って

その後、俺を呼びに来たくられ先生にマジで呆れられた

鬱(普通培養液の中のきしょい生命体見ただけで引くｯつーの....)

　

　